FUJIFILM X-T10 vs X-T1 仕様比較。富士フィルム X-T10 からみるX-Tシリーズの機能の違い
今回は富士フィルムから2015年6月に発売される富士フィルムのミラーレス一眼カメラ、”X-T”シリーズのコンパクト、低価格モデル “X-T10” と “X-T1” の機能を比較していきたいと思います!
上級機 “FUJIFILM X-T1” は、富士フィルムの創立80周年を記念したモデルで、富士フィルムのミラーレス一眼として初めての防塵防滴ボディに、デジタルカメラの中で最高クラスのファインダー倍率となる0.77倍(Canon EOS-1D X は約0.76倍)を実現したEVFなど、フラグシップのモデルとして充実な機能を搭載したモデルとなっており、今回の “FUJIFILM X-T10” は、その流れを汲むコンパクトモデルとして発売されます。
発売日、位置付けはそれぞれ下記となっています。
製品名 | NewX-T10 | X-T1 |
---|---|---|
作例を見る
|
作例を見る
|
|
発売時の価格 | \90,000 | \150,000 |
メーカー | 富士フィルム | 富士フィルム |
発売日 | 2015年06月25日 | 2014年02月15日 |
それでは、”X-T10″ と “X-T1” と機能を比較していきたいと思います。
主な仕様を比較する
画像処理エンジン、イメージセンサーは同じ
“X-T10” “X-T1” ともに、イメージセンサーに有効1,630万画素の “X-Trans CMOS IIセンサー” 、画像処理エンジンに “EXR Processor II” と同じものを搭載しています。おそらく画質に大きな変化はないかと思います。
ISO感度も常用感度200~6400、拡張感度100~51200と変更はありません。
連写性能は同等、連続撮影枚数は大幅に減少
“X-T10” では連写性能は約8コマ/秒と変更がありませんが、連続撮影枚数がJPG保存時に8枚となり、”X-T1″で47枚保存できていたのが大幅に制限されました。RAWファイルでの保存に関してはどこにも記述がありませんでしたがさらに厳しい枚数になりそうです。
約3コマ/秒で連写した場合は、”X-T10″でもSDカード容量いっぱいまでとなっています。
製品名 | NewX-T10 | X-T1 |
---|---|---|
仕様 | ||
マウント | Xマウント | Xマウント |
画像処理エンジン | EXR Processor II | EXR Processor II |
画素数 有効画素数 |
1,670 万画素 有効 1,630 万画素 |
1,670 万画素 有効 1,630 万画素 |
記録画素 | L 3:2 / 4896×3264 16:9 / 4896×2760 1:1 / 3264×3264 M 3:2 / 3456×2304 16:9 / 3456×1944 1:1 / 2304×2304 S 3:2 / 2496×1664 16:9 / 2496×1408 1:1 1664×1664 |
L 3:2 / 4896×3264 16:9 / 4896×2760 1:1 / 3264×3264 M 3:2 / 3456×2304 16:9 / 3456×1944 1:1 / 2304×2304 S 3:2 / 2496×1664 16:9 / 2496×1408 1:1 1664×1664 |
映像素子:企画 映像素子:サイズ 映像素子:種類 |
APS-C 23.6 ~ 15.6 X-Trans CMOS II センサー |
APS-C 23.6 ~ 15.6 X-Trans CMOS II センサー |
センサークリーニング | 圧電素子による超音波方式 | 圧電素子による超音波方式 |
画素ピッチ | 4.8 μm | 4.8 μm |
ローパスレス | ○ | ○ |
ISO感度 | 200 ~ 6400 [拡張感度 : 100 ~ 51200] [ISOオート : 200 ~ 6400] |
200 ~ 6400 [拡張感度 : 100 ~ 51200] [ISOオート : 200 ~ 6400] |
記録フォーマット | JPEG RAW |
JPEG RAW |
連写性能 | 約8.0コマ/秒 約3.0コマ/秒 |
約8.0コマ/秒 約3.0コマ/秒 |
連続撮影コマ数 | JPG : 8(約8.0コマ/秒の場合) JPG : カード容量いっぱいまで(約3.0コマ/秒の場合) |
JPG : 47(約8.0コマ/秒の場合) JPG : カード容量いっぱいまで(約3.0コマ/秒の場合) |
シャッター形式 | フォーカルプレーンシャッター 電子シャッター |
フォーカルプレーンシャッター 電子シャッター |
シャッタースピード | 1/4000 ~ 30 | 1/4000 ~ 30 |
電子シャッター | 1/32000 ~ 1 | 1/32000 ~ 1 |
サイズ・重量を比較する
サイズは一回りコンパクトに!防塵防滴構造は不採用
今回最大の変更点はデザインもさることながら、ボディの形状が一回りコンパクトに約60g軽い約331gとなりました。
ボディ全体がマグネシウムボディ、防塵防滴機構の”X-T1″に比べて、”X-T10″は天面・底面のみマグネシウムボディ、防塵防滴機構は採用されていません。まだまだ防塵防滴対応のレンズが少ないとはいえ残念なポイントです。
バッテリーに変更はなく、撮影枚数も同等です。
製品名 | NewX-T10 | X-T1 |
---|---|---|
サイズ・重さ | ||
ボディ外装 | 天面・底面 : マグネシウムダイキャスト | マグネシウムダイキャスト |
防塵/防滴 | – | ○ |
サイズ(幅x高さx奥行き) | 118 x 83 x 41 | 129 x 90 x 47 |
重さ (付属バッテリー、メモリーカード含む) |
約331g (約381g) |
約390g (約440g) |
電池/電池型番 | NP-W126 | NP-W126 |
参考撮影枚数 | 350 | 350 |
対応記録メディア | SDHCカード SDカード SDXCカード |
SDHCカード SDカード SDXCカード |
ファインダー・モニターの仕様を比較する
モニタは92万ドット液晶パネルに変更。
モニタはサイズこそ変更がありませんが約92万ドットの液晶パネルに変更されています。
ファインダーは0.39型約236万ドットに変更、倍率0.62と一回り小さく
ファインダー性能は、”X-T1″ に搭載された、デジタルカメラの中で最高クラスのファインダー倍率となる0.77倍(Canon EOS-1D X は約0.76倍)のEVFから、ファインダー倍率0.62となる、0.39型約236万ドットのEVFへ変更されました。
製品名 | NewX-T10 | X-T1 |
---|---|---|
モニタ仕様 | ||
モニタ | 3.0型 3:2アスペクト チルト式TFTカラー液晶モニター 約92万ドット 視野率約100% |
3.0型 3:2アスペクト チルト式TFTカラー液晶モニター 約104万ドット 視野率約100% |
サブモニタ | – | – |
タッチモニタ | – | – |
ライブビュー | ○ | ○ |
ファインダー | ||
ファインダー形式 | EVF | EVF |
ファインダー視野率(上下/左右) | 100 x 100 | 100 x 100 |
ファインダー倍率 (35mm換算) | 0.62 | 0.77 |
EVF | 0.39型 有機ELファインダー 約236万ドット |
0.5型 有機ELファインダー 約236万ドット |
その他 | デジタルスプリットイメージ 電子水準器 ヒストグラム表示 被写界深度確認 フォーカスピーキング |
デジタルスプリットイメージ 電子水準器 ヒストグラム表示 被写界深度確認 フォーカスピーキング |
AF・自動露出機能を比較する
新AFシステム「ゾーン」「ワイド/トラッキング」が追加
“X-T10″では新たに開発されたAFシステムを搭載しています。従来の49点「シングルポイント」に加え、11×7の77点の広いエリアから特定のエリアでAFが使用できる「ゾーンAF」、すべてのエリアから自動選択される「ワイド/トラッキングAF」によって動体撮影における機能が強化されました。
また、新アルゴリズムにより、低輝度・低コントラスト時の性能が強化されたようです。
製品名 | NewX-T10 | X-T1 |
---|---|---|
オートフォーカス | ||
AF方式 | インテリジェントハイブリッドAF(像面位相差AF/コントラストAF) | インテリジェントハイブリッドAF(像面位相差AF/コントラストAF) |
AFセンサー | X-Trans CMOS II センサー | X-Trans CMOS II センサー |
AF測距点数 | 49点 | 49点 |
AFエリア | シングルポイントAF:7×7の49エリア選択(フォーカス枠サイズ可変) ゾーンAF:11×7の77エリアより3×3/5×3/5×5選択 ワイド/トラッキングAF:11×7の77エリア自動選択 |
エリア選択AF(EVF/LCD:7×7の49エリア選択) オートエリアAF フォーカス枠サイズ可変 |
AFモード | シングルAF コンティニュアスAF MF |
シングルAF コンティニュアスAF MF |
AF補助光 | ○ | ○ |
タッチAF/シャッター | – | – |
AFその他機能 | プリAF 瞳AF フォーカスチェック フォーカスピーキング デジタルスプリットイメージ |
プリAF フォーカスチェック フォーカスピーキング デジタルスプリットイメージ |
自動露出機能 | ||
測光方式 | TTL256分割測光 | TTL256分割測光 |
測光モード | マルチ スポット アベレージ |
マルチ スポット アベレージ |
測光範囲 | – | – |
露出補正 | -3.0EV~+3.0EV 1/3EVステップ(動画撮影時は-2.0EV~+2.0EV) | -3.0EV~+3.0EV 1/3EVステップ(動画撮影時は-2.0EV~+2.0EV) |
ブラケット | ||
AEブラケティング | ±1/3EV/±2/3EV/±1EV | ±1/3EV/±2/3EV/±1EV |
フィルムシミュレーションブラケティング | 3種類選択可能 | 3種類選択可能 |
ダイナミックレンジブラケティング | 100%・200%・400% | 100%・200%・400% |
ISO感度ブラケティング | ±1/3EV/±2/3EV/±1EV | ±1/3EV/±2/3EV/±1EV |
ホワイトバランスブラケティング | ±1/±2/±3 | ±1/±2/±3 |
その他の機能を比較する
フィルムシミュレーションは11種、内蔵ストロボが新たに搭載!
富士フィルムの定評ある、フィルムシミュレーションは従来通り11種類が搭載されています。 “X-T10″ではポップアップ式の内蔵フラッシュが新たに搭載されています。
製品名 | NewX-T10 | X-T1 |
---|---|---|
その他機能 | ||
フィルムシミュレーションモード | PROVIA/スタンダード Velvia/ビビッド ASTIA/ソフト クラシッククローム PRO Neg.Hi PRO Neg.Std モノクロ モノクロ+Yeフィルター モノクロ+Rフィルター モノクロ+Gフィルター セピア |
PROVIA/スタンダード Velvia/ビビッド ASTIA/ソフト クラシッククローム PRO Neg.Hi PRO Neg.Std モノクロ モノクロ+Yeフィルター モノクロ+Rフィルター モノクロ+Gフィルター セピア |
アドバンストフィルター | トイカメラ ミニチュア ポップカラー ハイキー ローキー ダイナミックトーン ソフトフォーカス パートカラー(レッド/オレンジ/イエロー/グリーン/ブルー/パープル) |
トイカメラ ミニチュア ポップカラー ハイキー ローキー ダイナミックトーン ソフトフォーカス パートカラー(レッド/オレンジ/イエロー/グリーン/ブルー/パープル) |
その他 | ぐるっとパノラマ 点像復元処理 |
ぐるっとパノラマ 点像復元処理 |
カメラ内RAW現像 | ○ | ○ |
内蔵ストロボ | ○ | – |
セルフタイマー | 10 2 |
10 2 |
Wi-Fi | ○ | ○ |
Wi-Fi機能 | 位置情報サーチ スマートフォンへの画像送信 スマートフォンからの画像閲覧 リモート撮影機能 PC自動保存機能 instaxプリンタープリント |
位置情報サーチ スマートフォンへの画像送信 スマートフォンからの画像閲覧 リモート撮影機能 PC自動保存機能 instaxプリンタープリント |
X-T10、X-T1 を画像で比較する
正面図の大きさは実寸比です。ボディは全体的に一回り小さく、コンパクトになりました。特に天面のデザインが大きく変更され、より直線的なスクエアな形になっています。
背面ボタン類は”フォーカスアシスト”ボタンが省略されました。丸形は変わりませんが、アイピースが変更されています。上部左のダイアルが2段から1段に変更されています。
上部左のダイアルが”ドライブダイヤル”に変更されました。また、天面に「オートモード切換レバー」を新設されています。
以下参考サイトになります。
今回のまとめ
“X-T10″は上位モデルの”X-T1″を、小型、低価格化したモデルです。
CMOSセンサーや画像処理エンジンが変わらないため定評のある画質はそのまま。
連続撮影枚数の大幅ダウンや防塵防滴機構の省略、EVFのサイズダウンなど残念なポイントも確かにあります。しかし引き換えに軽量コンパクトに作られたボディと、低価格化によりとても人気が出そうな機種だと思いました!X-E、X-Aシリーズを所有しているユーザーの買い替えにもおすすめできそうですね。
もくじ