約48gで耐荷重量1kgの小型自由雲台 SLIK SBH-61 を試す。

SLIK SBH-61

今回試してみた機材は約48gと最軽量クラスで耐荷重量1kg、2012年とすでに10年近く前に発売された台座が固定式の小型自由雲台「SLIK SBH-61」です。一眼レフ時代は耐荷重量1kgじゃ到底足りませんでしたが、現在ならちょうどいい機材なのではと改めて試してみることにしました。

 

 

SLIK SBH-61

SLIK SBH-61 です。 重量は約48g、耐荷重量1kg、ベース部直径24mm、カメラの台座が固定式で、SLIKから販売されている自由雲台の中でも最軽量モデルです。手に持ってみると大きさの割に金属の塊的なずっしり感はあまりなく、軽さを感じる筐体です。台座のコルクは触ってみた感触としてちょっと柔らかめ、ベルボンのコルクと比べても弾力を感じます。

 

底部分には溝のようなものがあります。パーツの整合においてか、軽量化と強度のための溝かは分かりませんが、台座の大きさの割に軽量だったり持った時に金属の塊感を感じないのはこういった加工の影響がありそうです。

 

SLIK SBH-61 を選ぶ場合によく比較に出されるのが左の Velbon QHD-21 です。Velbon QHD-21 は重量約46g、全高46mmと同程度の大きさですが、台座が小さく耐荷重量600gとちょっと心もとないスペックです。使ってみると固定レバーの形状はこちらの方が扱いやすいですが、より軽い力で固定が動いてしまうため、固定の強度は SLIK SBH-61 が上です。右のQHD-33は重量約130g、全高68mm、耐荷重量2kgの長年愛用したモデルです。

 

取り付け方はロックレバーを開放してくるくる回す

通常の三脚に取り付けたい場合は、固定レバーを開放して台座のつまみに指を掛け、台座をくるくる回すことでカメラに取り付けることができます。ミニ三脚の場合は三脚の脚を持ちながら三脚ごとくるくる回せばOKですね。

 

レバーをしっかり止めても力を加えると簡単にずれてしまう

レバーをしっかり止めてカメラを固定できていても、耐荷重量1kgなので人間が力を加えると簡単に固定がずれてしまいます。だからといってカメラが固定できていない訳ではありません。力を加えても動かないレベルじゃないと信頼できないのであれば重くて強固な雲台がおすすめです。

 

1kgオーバーの機材で試してみる

先日手に入れた望遠レンズを取り付けて1,135gの組み合わせを乗せてみました。

 

耐荷重量の1kgを越え、さらに長めの望遠レンズでフロント側が重く、これだとすぐに倒れてしまうかな?と思いましたが意外と無事に固定できました。

 

ただし望遠レンズなのでズームを伸ばすと2倍くらいの長さになります。この状態だと、今ずれたような…?といった微妙なずれを感じました。

 

高さを確認するために棒を設置して確認してみることにします。30分ほど放置してみると、レンズの重みでフードと棒がくっついてしまい、高さを維持することができていませんでした。耐荷重量を超えた望遠レンズは流石に厳しいようです。

 

XF16-80mmF4 R OIS WR との組み合わせで約947g。載せるならこれぐらいまでが安心ですね。APS-Cのカメラとレンズの組み合わせなら、F4通しクラスの標準ズームレンズなら扱えるので悪くない自由雲台だと思いました。

 

重量のある機材の場合は強めに締め付ける

ミラーレスカメラとズームレンズの約1kgの機材を固定する際、このコルクの上にのっかる程度の締め付けだと、コルクの柔らかさの影響なのか構図のセッティング時に構図がぬるーっとずれていくように感じました。

 

確認のため接着剤で張り付けられているコルクをめくってみました。台座は金属が詰まった作りではなく、円状に窪みがある形状になっています。コルクに触った時の柔らかさはこの加工が要因かもしれません。

 

台座とカメラを締め付ける

カメラと台座ができるだけくっつくようなイメージで締め付けていきます。一度締め付けると、若干ですがコルクが潰れて(台座の隙間と密着?)くれます。

 

台座に指の引っかかりがありますが、力がとても入りにくいので指で締め付けるだけではコルクに乗った程度の締め付けです。ボディと単焦点レンズの軽い機材ならいいですが、多少重量のある機材だとコルクの分だけ構図がずれやすく感じるので、コルクが潰れるくらいに締め付けておきたいです。

より強めに締め付けるなら、台座に指をひっかけたままカメラ側を持ってキュッとひねります。少しだけ指が痛くなりますが、そうすることでカメラと台座をしっかり固定することができます。

 

横から見た時にコルクが見えすぎていると固定が甘いように感じます。この辺りの締め付け具合は撮り方と機材で相談でしょうか。ズームレンズのように前側に荷重がかかるレンズじゃなければここまでする必要もないと思います。構図を決めるときはカメラ側を持つように心がけましょう。

 

カメラの底面の形状次第ではコルクが削れるかも

台座を回して固定するので、カメラの底の形状によってはコルクが削れるかもしれません。私のカメラの場合は写真のように段差がある部分に削れたコルクが付着してしまっています。これだと回転してきつく締める以上、コルクの耐久性が気になってしまいますね。円形に縁取りされているのは接着剤がはみ出て付着した跡です。こちらは拭き取ればキレイになりました。

 

SLIK SBH-61 は固定の台座なので取り付けに一手間ですが、その分48gと軽量でとてもコンパクトな造りの自由雲台です。耐荷重量1kgなので標準ズームレンズや単焦点レンズだけを持ち、より少ない荷物でより軽量に。といった割り切った使い方ができれば、散歩や旅行用にとてもいい自由雲台だと思いました。

先日から続いていますが、三脚と雲台の小型軽量に拘ってみたところ見事に迷宮にはまり込んでいます…。小型軽量に振り切るか、もう少し使いやすさをとって妥協するか。自分のスタイルに合ったものを探しつつ、試した機材を記録していきたいと思います。

 

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