X-T2の動画の保存形式を見直す。F-Log、FHDと4K動画の画質を比較してみた。
最近動画を撮るようになりましたが、撮影するフォーマットはファイルサイズも軽いFHD(1920×1080)でいいだろ勢でしたが今はとても反省しています。
今回は動画を撮影していて個人的に気になった、F-LogやFHD(1920×1080)と4K(3840×2160)両者を比較してみた、いまさらながらのX-T2のテスト記事になります。
FHD(1920×1080)でフィルムシミュレーションを使いながら撮影していると、たまにX-T2の動画は色はいいけど画質はこんなもんなのかなぁと思い、富士フイルムのミラーレスで動画を撮影するならまだまだお安いX-H1にするか、自分のスタイル的にはX-T4が必須なんだろうなぁと漠然と思っていました。
そこで動画も始めたので、よくよくYoutubeで他の方が撮影されているX-T2の動画を見ていると、黒が潰れてないし画質も異様にきれいな動画が撮れていることに気が付いてしまいました。
腕の差はもちろんありますが、同じカメラなんだからもう少しだけ近づけられるだろうと調べてみると、共通して4Kで撮影していたり、明暗差のきつい場所は恐らくF-Logというフォーマットで撮影していたりしているようでした。
それまで撮影の設定は以下、
- 軽量に越したことはないとFHD(1920×1080)
- いつものフィルムシミュレーションを使いたかったので普通の動画設定
- とりあえず24P
そんな設定で個人的に気になっていたのは以下の2点でした。
- 明暗差が厳しい場所での撮影をどうすればいいのか
- カメラを固定してパンフォーカスな映像の場合、解像度や細かいディテールが気になることが多々ある
いままで動画の機能は特に何も考えていませんでしたが、試しに自分でF-Logや4Kの動画を撮影して見比べてみると、動画を撮影するに当たって勘違いをしていたことが浮き彫りになりました。
X-T2の動画機能
X-T2の動画機能 | フレームレート | ビットレート | 備考 |
---|---|---|---|
4K(3840×2160) F-Log |
29.97p/25p/24p/23.98p | 最低ISO感度800 連続最大 約10分まで |
|
4K(3840×2160) | 29.97p/25p/24p/23.98p | 100Mbps | 連続最大 約10分まで |
FHD(1920×1080) ハイスピード |
120p/100p | 最長6分 | |
FHD(1920×1080) F-Log |
59.94p/50p/29.97p/25p/24p/23.98p | 最低ISO感度800 連続最大 約15分まで |
|
FHD(1920×1080) | 59.94p/50p/29.97p/25p/24p/23.98p | 100Mbps | 連続最大 約15分まで |
HD(1280×720) | 59.94p/50p/29.97p/25p/24p/23.98p | 50Mbps | 連続最大 約30分まで |
改めてX-T2の動画の記録モードを確認すると以上の通りです。4Kの解像度が3840×2160。FHDだと59.94pでの撮影ができ、ファームウェアのアップデートによって120pのハイスピードでの記録も可能となっています。正直十分なスペックかと思います。
F-Logは最低ISO感度が800になる制限がありますが、これは富士フイルムの写真におけるダイナミックレンジ拡張の設定と同じようなイメージでしょうか。F-LogはSDカードへの保存も可能になっています。
明暗差が厳しい場所での撮影は「F-Log」で解決
明暗差の大きいシーンでは、動画の場合写真以上に白飛びや黒つぶれに厳しいものがありました。
動画における「LOG」というものを聞いてはいたのですが、先入観からファイルサイズがとんでもなく肥大化しそうで、いままで手を出そうとはまったく思っていなかった機能です。実際使ってみるとX-T2ではそこまでファイルサイズが変わりませんでした。後からカラーグレーディングをしなければいけないですが、上の画像のように暗部の潰れも解消され、使ってみてのメリットしかなかったので問題が解決してくれました。
Logの考えた方を厳密にやると大変なのだが、”カメラが持つダイナミックレンジをフルに活用できる”ということだけを覚えておいて欲しい。
X-T2: 4K動画撮影機能 | | 富士フイルム Xシリーズ & GFX
富士フイルムのカメラに搭載されているLogはF-Logという富士フイルム独自のフォーマットになるそうです。公式でも語られているので興味のある方は。
解像感は4Kで撮影することで解決
いままでの設定で撮影していた場合、シーンによっては上手く解像しないでなんだかブレたような、モアモアしたような画になってしまうことがありました。この画像の左では森がモアモアしています。
こちらでは鉄塔と電線が分かりやすいと思います。これ以上にひどい場合もあり、レンズや設定を疑いましたが同じ設定で写真で撮れば問題なかったため頭を抱えていました。
先程のYoutubeを色々見たおかげで4Kの動画がキレイなことに気づいて試しに比較。4Kで保存することでこれまた問題点が解決する運びとなりました。FHDと4Kでここまで出力される画に違いがあるとは気付きませんでした…。
以上の2つをまとめたのがこちらの動画です。全画面で確認してみてください。
X-T2はVer 4.0でF-Log撮影データのSDカード記録に対応しています。外部レコーダーに記録するしかなかったものが手軽に使えるようになって当時にちょっとざわめきがあった記憶があります。今になってようやくこのことかと理解しました。
富士フイルムの4Kはオーバーサンプリングにより高画質な4K動画を生成している
もう少し調べてみると、X-T2の4K動画への拘りが公式ページに書かれていました。富士フイルムは「オーバーサンプリング」と呼ばれる技術を使い、14.7メガピクセル(=5120×2880)から4K(=3840×2160)に落とし込んで動画を生成しているそうです。X-T2をまだまだ使い切れていなかったんだなと頑張ってみることにしました。
X-T2の4Kはクロップされる
X-T2の4Kで撮影していての欠点が、動画がクロップ(切り抜き)されて記録されるため、写真で利用している画角より狭くなってしまうことでしょうか。感覚的に焦点距離x1.3倍なイメージなので広角がメインな方は注意でしょうか。
ファイルサイズもバカでかいがデメリットを帳消しにする圧倒的な解像度
ファイルサイズは30秒の動画で
- FHD 150MB
- 4K 400MB
程度と約3倍。F-Logにすると更に容量が上がるのかな?と思いましたが、
- FHD F-Log 130MB
- 4K F-Log 400MB
とファイルサイズはあまり変わらずでした。100Mbpsで記録されるのは同じだと思うので、同じ画質な分はカラーグレーディングをして無理やり持ち上げると、普通に撮影するより画質は劣化すると思います。X-T2の場合は程々にでしょうか。
肥大化するファイルサイズは、ファイルの移動などで特に時間がかかります。32GBのSDカードもあっという間に埋まって行くので64GBじゃないと心細く感じます。今の所は長時間の撮影は考えていないので手持ちのSDカードで大丈夫そうですが、ファイルの保管先のNASなどの環境を考え直さないといけなくなりそうです。
X-T4かX-T3か
現時点では動画での手ブレ補正は必要ないのでX-T3がベストかもと考えるようになりました。金額の高い新型を購入するよりも、余った予算でバリアブルNDやジンバルなどの機材を揃えた方が結果的に動画の向上や快適性に繋がると思います。そういえばGH3時代に気合を入れて購入したManfrottoの一脚とビデオ雲台はどこにいったのかしら…?
もともと動画用途にX-T4を。と思っていましたが、思いもよらずX-T2が使えてしまっているので、まだまだ擦り切れるまで付き合ってもらおうと思います。