ProGrade DigitalのSDカードはじめました。4K動画にぴったりなUHSII V60対応のGOLDがコスパ良し。次の一枚の選択肢に。
4K動画を撮影するようになったので、大容量に記録できて比較的高速なSDカードが欲しいなと思っていたところ、AmazonでProGrade Digitalさんのセールがちょうど始まったので、流れる動きでポチーっと購入しました。普段はほぼトランセンドさんな私が、今回はせっかくProGrade DigitalさんのSDカードを購入したので、どんなメーカーでどんなSDカードなのかをちょっとだけレビューを絡めて見ていきたいと思います。
ProGrade Digitalってどんな会社?
ためになる記事がたくさんあるので、ここではざっくりかいつまんでいきたいと思います。
半導体メーカーのマイクロンの1ブランド、レキサーのスタッフが独立して立ち上げたブランド
半導体メーカーのマイクロンの1ブランドとして展開していたレキサーが、中国のLongsys社に売却された際に元Lexarの副社長とそのエンジニア達が独立。新たに立ち上げたのが「Progade Digital」です。
創業者のウェス・ブリュワー氏に、共同創業氏の面々がすごい。
創業者のカリスマ性ってやはり大事かと思います。創業者のウェス・ブリュワー氏は元Sandiskのメモリーカードと関連アクセサリービジネスの担当副社長、マイクロンでレキサービジネス責任者および副社長など、まさにメモリーカード業界のレジェンドと呼ばれる方だそうです。
そしてデジカメWatchの発足記事を読むとそうそうたるメンバーです。
Progade Digitalの創業者、Wse Brewer氏は、元Lexarの副社長兼ゼネラルマネジャー。Lexarブランドのメモリ製品について、マーケティング、製品管理、エンジニアリング、品質、製造、サプライチェーン、および需要計画を担当したという。元Sandiskのメモリーカードおよびアクセサリーの副社長も務めた。
共同創業者でかつ副社長・マーケティング担当のMark Lewis氏は、元Lexarのマーケティング担当シニアディレクター。元SanDiskのグローバルマーケティングディレクターも務めている。
共同創業者・副社長には、元MicronのエンジニアリングディレクターのMichael George氏や、元Lexarシニアディレクターおよび元Sandiskでサプライチェーン計画に携わったEd Cheline氏が名を連ねている。
ProGrade Digitalの製品の特長は?
直販による「世界共通価格・共通保証」
メモリーカードに限らずですが海外製品を日本で購入しようと思うと、異常に高額な値段設定になり、海外のサイトを覗くと安さに驚くことがあります。プロ向けのSDカードだとサンディスクがまさにそれで、安く購入できる並行輸入品が多く、偽物も存在するため中々おすすめし辛いメーカーでした。
ProGrade Digitalは、Amazonのマーケットプレイスを利用した直販を行い、世界共通価格(税抜価格)で展開してくれる良心的なメーカーになります。海外で購入しても共通の保証が受けられるようです。前もって言ってくれているのがありがたいですね。
「製造時全品検査」「全品固有製造番号」
SDカードだとケースに固有の製造番号が書かれており、製造時に全品検査を行うことも創業者の強い意向で推し進められたそうです。大量に出荷される商品の全品検査を行うなんて狂気の沙汰ではありませんが、ユーザーにとっては不良品を掴む可能性が下がるので嬉しい試みです。
インスタグラムをフォローしているんですが、まさにカメラのためのストレージメーカーといった印象を受けるのでとても好印象です。
ProGrade DigitalのSDカードのラインナップ
ProGrade Digitalさんの現在(2020年5月24日)のSDカードのラインナップは以下です。
スピードクラス | 容量 | NAND | 速度 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
UHS | ビデオ | クラス | ||||
COBALT コバルト |
UHS-II | V90 | U3 | 256GB | SLC | 読み込み 300MB/秒 書き込み 250MB/秒 |
UHS-II | V90 | U3 | 128GB | SLC | ||
UHS-II | V90 | U3 | 64GB | SLC | ||
GOLD ゴールド |
UHS-II | V60 | U3 | 256GB | TLC | 読み込み 250MB/秒 書き込み 140MB/秒 |
UHS-II | V60 | U3 | 128GB | TLC | ||
UHS-II | V60 | U3 | 64GB | TLC |
製品のグレードは2種類で、上位の「COBALT(コバルト)」と下位の「GOLD(ゴールド)」になっています。上位の「COBALT(コバルト)」は読み込み250MB/秒、書き込み250MB/秒とビデオクラスV90が保証される超高速仕様で、書き換え耐性の高い「SLC」を使っており、はっきりとした差別化がされています。
とはいえ下位の「GOLD(ゴールド)」でも、読み込み250MB/秒、書き込み140MB/秒と十分なスペック。ビデオクラスもV60が保証されているので4K動画にも使いやすいSDカードでしょう。V60であれば、4K/400Mbps(約50MB/秒)の記録に耐えられるかと思います。
ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 250R MEMORY CARD GOLD 128GB
ということで今回購入した GOLDの128GBを見ていきたいと思います。
パッケージはこんな感じでSDカードのケースを紙のスリーブで包んだだけのコンパクトサイズです。Amazonでの直売のみなので、実店舗の什器で販売することを考慮していないからこそできるコストダウンされたパッケージにも思えます。
パッケージが分かるように回転させたくて動画を一本作ってみました(1度回転させてみたかった)。回転させると商品が良く分かりますが、Youtubeで公開するなら文字より喋った方が分かりやすそうですね。なかなか難しいです。
中身はこんな感じです。SDカードのケースには「PRO GRADE」の刻印が入っています。「製造時全品検査」「全品固有製造番号」なのでケースに個別のシリアルナンバーが入ったシールが貼ってあります。
GOLDだと使用しているメモリータイプはTLCを採用しています。COBALTのSLCと比べてしまうと見劣りしますが、この辺りをしっかり公称しているのも好感ポイントです。SDカードのNANDフラッシュ別による、ざっくりした書き換えの耐久は以下のようになります。
SLC 10万回(プレーナー型) MLC 1万回(プレーナー型) TLC 1000回(プレーナー型)
3000回~5000回(3D NAND)QLC 300回~1000回(3D NAND)
GOLDはTLCなので恐らく1,000回程度の書き換えでしょうか。SLCは値段が高いだけはあって、10万回の書き換えができるようです。SDカードは劣化する消耗品なので、自分がどういう使い方をしてるかで必要なメモリーカードが変わってくると思います。
私の場合はコスパの良さそうなものを複数枚運用が合っており、1年に1枚程度SDカードを購入しているので1,000回の書き換えでも十分です。これが壊れる頃には速度的にも陳腐化するので、1枚いいものを持っているより複数枚のSDカードを持っている方が安心です。
SDカードに書かれているアイコンをおさらいします。
- ビデオスピードクラス – これが一番新しい規格です。V60は60MB/秒の書込を保証するといった内容。V30だと30MB/秒、V90だと90MB/秒など。一応4K撮影はV60以上が推奨。ビットレートによって変わるので一概に言えません。写真の高画素機も1枚辺りの容量がどれくらいかで目安になると思います。
- UHSスピードクラス – Uの中に3だと、30MB/秒の書込を保証するといった内容。U1とU3しかありません。
- スピードクラス – 昔は良くClass10なら安心。っと書かれていたのも今や昔。あってないような記述です。
- メモリーリフレッシュ対応 – ProGrade Digitalのストレージで、メモリーリフレッシュ機能に対応しているものにこのアイコンがついています。
UHS-IIの端子です。高速に読み書きする場合はUHS-IIに対応したSDカードリーダーが必要になります。
カメラ側でも対応している必要があるので気をつけましょう。UHS-IIに対応していない場合でも下位互換があるのでUHS-Iで約90MB/秒での読み書きが可能です。
UHS-IIとUHS-I。
右のトランセンドさんのメモリーカードを使ってみたらこれでいいやとなってしまったのでしばらくずっと愛用しています。SDカードは消耗品なのでちょくちょくSDカードを買って使い分け、それぞれの寿命を伸ばして行くスタイルです。靴と同じ感じです。
ただ、私の持っているSDカードはビデオスピードクラスでV30が上限でした。これだと高ビットレートの4K動画の撮影にはとても耐えられそうにないかなと思い、将来的に必要になるだろうと今回お試しも兼ねて購入してみました。
SDカードのロックのパーツってカラーがたくさんあって好きだったりします。
ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 250R MEMORY CARDの速度を計測してみる
実測していきます。比較対象は、一応持っているSanDisk 64GB Extreme PRO UHS-I SDXC。これで十分じゃない?と愛用しているTrancendの1,000円台のSDカードです。読み込み用のSDカードリーダーはソニーの「MRW-S1」。
ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 250R GOLD 128GB
今回購入しProGrade DigitalさんのSDカード「SDXC UHS-II V60 250R GOLD 128GB」。
ベンチマークを測定するとよく分かりますが、大抵のメーカーは公称の読み込み、書き込みスピードのマックスを出すことはできませんが、このSDメモリーカードはさらっと公称値を超えてきました。好感度バク上がりです。
UHS-IIに対応していないトランセンドのSDカードリーダーで読み込むと、当然ながら速度が制限されます。
SanDisk 64GB Extreme PRO UHS-I SDXC
サンディスクの当たりなSDカード。2,000円台前半まで値段が下がってきたイケてるSDカードです。レビューに掲載されているショップから買うようにすると外れ(偽物)を引きにくいと思います。
サンディスク専用のSDカードリーダーを使うことで読み込み170MB/秒が出せるらしいですが通常のカードリーダであればこの速度になります。
Transcend 64GB UHS-I U3 V30 TS64GSDC300S-E
1,000円台前半で購入できるバク安SDカード。容量によって書込速度に差があるので注意な製品ですが、64GB以上ならこの速度が出るので連射をしない高画素機でなければ十分でしょう。メモリータイプがTLCの3D NANDと書かれているので、以外と書き換え耐性が高くコスパはいいのではないでしょうか?
私は連射はほとんど使わず、動画も4K100Mbpsなのでこれで十分運用できました。写真だとRAW+JPGの容量がこの速度に収まっていればとりあえず問題ないと思います。ただし4K動画を撮り始めると一度の撮影で数10GBを平気で使ってしまうので、パソコンへの取り込み時に時間がかかってしまいます。最近はここが気になっていました。
SDカードの新たな選択肢に
ProGrade Digitalさんのことや、購入したSDカードを調べてみたらとてもポジティブな結果となりました。
機材の高画素機化が続き、動画も4Kが当たり前の時代になって高速で信頼性の高いSDカードが必要な時代になりました。ただ、ハイエンドで大容量で高速なSDカードはなかなか気に入ったメーカーでコストパフォーマンスが高いものが見当たらず、結果的に今まではトランセンドさん推しできています。正直それで十分でしたが、より上のSDカードが欲しい場合の新たな選択肢にProGrade Digitalさんを加えたいと思います。
5/31まではセール中のようですなので欲しい方はこの機会にぜひぜひ。今回すぐに売り切れになってしまいましたが、一時的に在庫が復活したので気になる方はちょくちょく覗いてみるといいかと思います!