X-T20のオートホワイトバランス(AWB)の色味と色被りを観察、補正してみる。 / 富士フイルムのJPEG撮って出しを考えるシリーズ Vol.1

  1. 2018.05.09

富士フイルムのカメラを使い始めて、やっぱりJPEG写真の個性的な発色が気に入っています。

その良さを活かすためにはホワイトバランスをしっかり設定したいところですが、カメラに任せきりにすると?な発色をすることもしばしば。

いままでのカメラ人生ではRAWでの撮影がほとんどだったため、恥ずかしながらカメラ側のホワイトバランスは適当に設定していました。ここらでJPEG撮って出しのクオリティを向上するためにも、今回はシーン別のホワイトバランスを観察してみたいと思います。

FUJIFILM X RAW STUDIO

私の持っているX-T20もおかげさまで「FUJIFILM X RAW STUDIO」に対応しました。今回はこれを使って同じ写真からホワイトバランスを変更して試行錯誤していきます。

「FUJIFILM X RAW STUDIO」を使えば、カメラ内RAW現像と同じ結果が得られるので、その後の撮影へのフィードバック、フィルムシミュレーションの作り込みにもおすすめです!

 

富士フイルムのオートホワイトバランス(AWB)を観察してみる。

ベースの設定は全て「Provia/スタンダード」で、トーンの設定なども全てデフォルトです。ホワイトバランス、WBシフトのみ変更しています。

 

緑が多い場合に特に気になる。

Provia WBオート

極端な例ですが富士フイルムのオートホワイトバランスは緑が多いカット、曇、夜間などでこのような色になってしまうことがあります。

色被り

全体的に写真に別の色がのっていることを「色被り(かぶり)」といい、このように赤紫色になっているのを「マゼンタ被り」といいます。マゼンタは赤紫のことで色の三原色の一つになります。同様に緑が被っていれば「グリーン被り」ですね。

 

最初はこれが富士フイルムの色なのかな?とも思いましたが、赤紫な写真は好みではないのでホワイトバランスを積極的に変更することにしました。

 

Provia WB晴れ

ホワイトバランスを「晴れ」に変更した写真です。色被りがなくなり富士フイルムらしい鮮やかな緑になりましたね。こうしてマニュアルで設定することで、意図通りに、一歩クオリティの高いJPEG写真が撮れるようになります。

 

青空の写真

Provia WBオート

晴天であれば安定して気持ちのいい青空を出すことが出来ています。ただシーンによってほんのり青すぎたり、ほんのり赤みがかってしまう箇所も見受けられます。

 

Provia WB晴れ

太陽のもとで長時間撮影するのであればプリセットの「晴れ」かマニュアルで「5000K」に固定してもいいかも知れません。

 

比較するとこんな感じです。「晴れ」はやや青く「AUTO」はやや赤みがかる傾向にあるようです。晴れについてのホワイトバランスは以下の記事でまとめました。

 

Provia WBオート

こちらは一見いい感じに見えますがグリーンが被っています。

 

Provia WB5000K WBシフト R1

ここでは少し青みを強調したかったのでホワイトバランスを5000Kに設定、グリーンが被っていたのでマゼンタ方向にプラスします。

 

大分鮮やかになりましたね!比較すると違いがよく分かると思います。とはいえ現場での調整はモニタの性能的にも非常に難しいです。ここはもう少し試行錯誤したいところ。

 

意外と使える「蛍光灯2」

Provia WBオート

次にこちらの写真。一見すると緑が鮮やかで綺麗に見えますが、花びらや木の枝、地面をみるとマゼンタが被っているのが確認できます。

 

Provia WB太陽

ホワイトバランスを「晴れ」に変更することですっきりした写真になりました。ややグリーンが強いようにも見えますが自然な発色だと思います。

 

Provia WB蛍光灯2(昼白色)

私的に発見だったのはこれ。WBを「蛍光灯2(昼白色)」に設定して現像しました。

全体的にグリーンが抑えられちょうどいいバランスに。花びらの白のトーンが綺麗に出ています。これはFUJIFILM X RAW STUDIOを触っていて初めて気が付きました。

 

左が「晴れ」、右が「蛍光灯2(昼白色)」になります。

 

どんな設定になっているのか確認したかったので、それぞれホワイトバランスを変更してLightroomに読み込んでみました。

  • 「晴れ」は色温度が5150で色被り補正が18
  • 「蛍光灯2(昼白色)」は色温度が5200で色被り補正が31
  • 「5300K」は色温度が5500で色被り補正が15

となっています。数値化してみるとどんな違いがあるのか一目瞭然です。「蛍光灯2」にすることで、色被り補正がプラスされ、グリーンを抑え、マゼンタが増してすっきりです。

「5300K」は参考の数値ですが、プリセットではグリーンとマゼンタの色被り補正も調整されています。

 

Provia WB蛍光灯2(昼白色)

とはいえそのままで設定していると同じ場所でも赤みが強く出た写真になってしまいます。っと変な作例で載せようと思ったらこれはこれで雨の降る中で撮影した旅情感がでていいなと思ってしまいました。

この辺りは好みですが、基本は「オート」にしてホワイトバランスがおかしくなった場合だけ変更してもいいでしょう。

 

Provia WBオート

もう一枚同様のカットで試してみます。

 

Provia WB晴れ

鮮やかすぎる緑が反射、散乱して写真全体にグリーンが溢れています。葉は鮮やかで気持ちいいですが、地面に色が被ってしまっていますね。この写真はプリセットで色被りを抑えることができません。

 

Provia WB蛍光灯2(昼白色)

グリーンに被っている。ということで先程の発見を生かしてWBを「蛍光灯2(昼白色)」に設定しました。

実際に撮影していてWBシフトを細かく調整するのはとても大変なので、緑が多い場所で「オート」設定時にマゼンタ被り、「晴れ」の設定時にグリーン被りがおきた場合は「蛍光灯2(昼白色)」に設定するといいかもしれません。

 

夜の写真

Provia WBオート

次に夜景の撮影です。一見いい感じの夜景に見えますが全体的にマゼンタが被ってしまいました。

 

Provia WB電球

プリセットの中でも一番良く見えるWBは「電球」です。悪くないですが今度はグリーンとブルーが強く出ていますね。

 

Provia WB3200K WBシフト R+3 B+1

プリセットは役に立たなかったのでマニュアルで調整していきます。ホワイトバランスを3200Kに設定しWBシフトでR+3 B+1調整。WBシフトを使わなければ色が合わない難しいシーンでした。

 

WBシフト

こちらが「WBシフト」です。カメラ内でも使用することができる機能です。これはホワイトバランスを微調整する機能で、どのメーカーでも同様の機能がついています。

色被りをなくしたい場合は、「色被り」を起こしている色に対して「逆の色(補色)」を指定することで色被りを相殺できます。ここではグリーンに被っているのでグリーン(左側)と逆の色。マゼンタ(右側)を選択することで調整しました。

 

左 : Provia WBオート 右 :  Pro Neg. Hi WB3200K WBシフト R+4 B+2 

別のシーンです。左がオート、右の写真をマニュアルで設定してみました。

  • Pro Neg. Hi
  • WB 3200K
  • WBシフト R+4 B+2
  • ハイライトトーン -1
  • シャドウトーン 0
  • カラー -2
  • シャープ +1

夜の写真を撮影する場合、WBを上下して調整しつつ、WBシフトをR+4 B+1辺りに持ってくるとグリーン被りが減ったすっきりした写真になります。この設定で「カスタム設定」を登録しておくといいかもしれません。フィルムシミュレーションはお好みで。

 

Provia WBオート

色が被った写真ばかり掲載していますが、こちらの写真のように基本的に「オート」で問題ありません。

多いわけではないですが「オート」でも「プリセット」でも色が上手く出せない場合は、WBシフトを上手く活用するしかありません。夜のホワイトバランスはどんどん研究したいところです。

 

室内の写真

Provia WBオート

室内での写真ですが「オート」で綺麗な色を出すことが出来ました!複雑なミックス光源でなければ上手く処理してくれます。

 

Provia WB電球

逆にマニュアルでWBを合わせようと思っても照明のせいで色が被ってしまいます。

室内で食事を撮影する場合は「オート」を選択するか、もしくはグレーカードを携帯してホワイトバランスを取得すると良さそうです。

 

Provia WBオート

こちらもAWBで綺麗な色を出すことができました。

 

Provia WB電球

先程と同じ「電球」に合わせましたがこれだけ色が違います。色が「オート」の優秀さが身にしみますね。

 

曇天の写真

Provia WBオート

曇天での写真ですがややマゼンタが被っています。この辺りがカメラのモニタでは微妙で判断が難しくなります。

 

Provia WB晴れ

ホワイトバランスを「晴れ」にするとすっきりです。

 

Provia WBオート

一見すると良く見えますが、左下の屋根の部分をみるとしっかりとマゼンタが被っています。

 

Provia WB5300K

「晴れ」で現像するとややブルーだったので5300Kで調整。これはお好みですね。

 

夕陽、朝日の写真

Provia WBオート

夕日の写真です。いい感じです。

 

Provia WB日陰

夕陽感が乏しいのでWBを「日陰」に設定するとこうなります。

夕陽のオレンジがしっかりと強調され、思った以上に夕陽感が出る仕上がりになりました。

 

Provia WBオート

初日の出です。これもいい感じ。

 

Provia WB蛍光灯2(昼白色)

「蛍光灯2(昼白色)」で現像すると、ブルーとマゼンタのカラーがいい塩梅で強調されました。「蛍光灯2」はなかなか使えるやつです。

 

オートホワイトバランスの使いどころ

基本的にオートホワイトバランスの設定でいいと思いますが、極端に色が被る時、意図した色を出したい時は積極的に変更したいところです。

私の使い方では、マゼンタ被りや青すぎるよりは、黄色に転ぶほうがいいので基本的に「晴れ」に固定しておき、どうしようもない場合にそれ意外を選択するのが性にあっているようです。

今回の目的はオートホワイトバランスが悪い。という話ではなく、どういったシーンが苦手なのかの確認と、シーン別のホワイトバランスのちょっとした検証でした。

 

色をコントロールできると写真がもっと楽しい

改めて1枚1枚考えてみましたが、こうして考察してみることで新たな発見もありました。

富士フイルムの中の人も推奨しているので、なるべくホワイトバランスを「オート」に設定して楽をしておきたいところですが、要所要所でしっかり色をコントロールすることで写真はさらに楽しくなるはずです!

今回の投稿だけだとホワイトバランス自体の解説が大分不親切になってしまい、わかりづらい場所もあると思いますので時期をみつつホワイトバランスの解説もしていきたいと思います。

 

 

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