D3300 vs EOS Kiss X7 仕様比較。APS-C エントリーモデルライバル機種の違いをみる
ニコンから新しく発売される『Nikon D3300』。発売日にせまったニコンの最新エントリーモデルと、一年前にAPS-Cセンサー搭載搭載一眼レフ、最少最軽量コンパクト機として売り出した キヤノン Kiss X7 と比較してみたいと思います。
発売日、特長はそれぞれ下記となっています。
製品名 | [NEW]D3300 | EOS Kiss X7 |
---|---|---|
発売時の価格 | \65,000 | \74,300 |
メーカー | ニコン | キヤノン |
発売日 | 2014年02月発売予定 | 2013年04月24日 |
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以下、比較を見ていきます。
ボディのサイズと重さはKiss X7が一回りコンパクト。重さはキットレンズ込だと30g差。D3300はバッテリー容量、ホールド感が上。
画像は大体実寸比です。サイズは一回り『EOS Kiss X7』がコンパクト。重さはボディだけだと『D3300』が410g、X7が370gと40g差。キットレンズ込だとD3300が605g、X7が575gと30g差になります。
しかし、X7はグリップが大きく削られています。好みではありますが、一眼レフカメラとしてのホールド感やバランスは『D3300』が上をいっているのではないでしょうか?また、キットレンズ込だとシステムに拘ったというD3300がコンパクトに収まります。
撮影枚数はD3300の700枚、X7の380枚
重さの差は特にバッテリー容量に顕著に表れます。『D3300』が参考撮影枚数700枚、『X7』が380枚と大きな開きとなっています。
ちなみにですが『X7』のバッテリーの重さが35gなので、予備にもう一つ持っていくと5g差となります。
製品名 | [NEW]D3300 | EOS Kiss X7 |
---|---|---|
ボディ外装 | カーボン強化プラスチックモノコック構造 | プラスチック |
サイズ(幅x高さx奥行き) | 124 x 98 x 76 | 117 x 91 x 69 |
重さ | 410 g | 370 g |
インターフェース | USB2.0 AV出力 HDMI |
HDMI USB2.0 AV出力 |
電池/電池型番 | EN-EL14a | LP-E12 |
参考撮影枚数 | 700 | 380 |
対応記録メディア | SDHCカード SDカード SDXCカード |
SDHCカード SDカード SDXCカード |
RAW+JPEG同時記録 | ○ | ○ |
画素数はD3300に軍配。D3300は新型センサー『EXPEED4』による高感度耐性の向上、ローパスフィルターレス。画質は大きな差か。
画素数は『D3300』が有効2,478画素、『X7』が1,800万画素。両機種とも前モデルと同様です。
画素数が大きければ画質が言い分けではなく、データサイズによる取扱いの難しさも増しますので一概に大きければいいというものでもありません。
しかしながら、D3300はD3200と同じ画素数ではありますが、『EXPEED4』による高感度耐性の向上(D5300 D5200参照)、ローパスフィルターレスによる解像感の向上など、着実に進歩を重ねています。
製品名 | [NEW]D3300 | EOS Kiss X7 |
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マウント | ニコンFマウント | キヤノンEFマウント |
画像処理エンジン | EXPEED 4 | DIGIC 5 |
画素数有効画素数 | 2,478 万画素 有効 2,416 万画素 |
1,800 万画素 有効 1,800 万画素 |
映像素子:企画 映像素子:サイズ 映像素子:種類 |
APS-C 23.5 ~ 15.6 CMOS |
APS-C 22.3 ~ 14.9 CMOS |
画素ピッチ | 3.9 μm | 4.3 μm |
ローパスレス | ○ | – |
ISO感度 | 100 ~ 12800 [拡張感度 : 100 ~ 25600] [ISOオート : 100 ~ 25600] |
100 ~ 12800 [拡張感度 : 100 ~ 25600] [ISOオート : 100 ~ 6400] |
総合評価 | 83(D5300) : 81(D3200) | 63 |
ポートレイト (色深度) | 24(D5300) : 24.1(D3200) | 21.8 |
風景(ダイナミックレンジ) | 13.9(D5300) : 13(D3200) | 11 |
スポーツ(限界ISO感度) | 1338(D5300) : 1131(D3200) | 843 |
暗いところのAF性能はD3300が-1.0EVと上。AF測距点数も11点。X7はLV時の像面位相差AF、タッチAFが便利。
AF性能は、レンズや合焦の精度などカタログスペックでは測れない部分がありますが、暗い場所でのAFは『D3300』が-1.0 EV ~ 19.0 EV。『X7』が -0.5 EV ~ 18.0 EV とD3300がリードしています。これは室内撮りなどに有利に働きます。
X7は『ハイブリッドCMOSAF』を採用し、ライブビュー時のAF性能とタッチAFのファインダーを覗かない撮影スタイルでは差を付けています。タッチAFはローアングルでの撮影や、奥行のある場面などでAFのポイントをいじらずに自由な箇所にピントを合わせることができるメリットがあります。
下記はX7iですが、タッチAFの参考の動画です。
動画はタッチAFの『X7』が使いやすい。フレームレートがちょっと残念。
一見、静止画の『D3300』。動画の『X7』に見えなくはないですが、動画撮影時のフレームレートがD3300が60P。X7が30PとここでもD3300が上回っています。
ただし、動画撮影時はライブビューによる撮影のため、前述のX7のタッチAFによるフォーカスの切替が威力を発揮します。扱い安さでいえばだんとつにX7だと思います。
製品名 | [NEW]D3300 | EOS Kiss X7 |
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AF方式 | 位相差AF | ハイブリッドCMOS AF(位相差AF/像面位相差AF) |
AFセンサー | マルチ CAM 1000 | – |
AF測距点数 | 11点(クロスタイプ 1点) | 9点(クロスタイプ 1点) |
AF輝度検出範囲 | -1.0 ~ 19.0 | -0.5 ~ 18.0 |
AFエリア | シングルポイントAFダイナミックAFオートエリアAF3D-トラッキング(11点) | – |
AFモード | ・オートフォーカス(AF):シングルAFサーボ(AF-S)コンティニュアスAFサーボ(AF-C)AFサーボモード自動切り換え(AF-A)を選択可能被写体条件により自動的に予測駆動フォーカスに移行・マニュアルフォーカス(MF):フォーカスエイド可能 | ワンショットAFAIサーボAFAIフォーカスAF手動(MF) |
AF補助光 | ○ | △ |
タッチAF/シャッター | – | ○ |
AFその他機能 | – | ライブ1点AF顔認識+追尾優先AFライブ多点AFクイックAF |
動画記録サイズ/フレームレート | 1920×1080 [60p/50p/30p/25p/24p]1280×720 [60p/50p]640×424 [30p/25p]最長29分59秒フルHD 60p/50p時は20分ミニチュア効果時は3分 | 1920×1080 [30p/25p/24p]1280×720 [60p/50p]640×480[30p/25p] |
ファイル形式 | MOV | MOV |
圧縮方式 | H.264/MPEG-4AVC | MPEG-4AVCH.264可変(平均)ビットレート方式 |
音声記録形式 | リニアPCM | リニアPCM |
ファインダー性能はD3300が35mm換算0.57倍、X7は0.54倍。
エントリーモデルのファインダーは中々語れるものではありませんが、ニコンがここにきてペンタミラーの倍率あげてきました。
『D3300』が0.85倍(35mm換算 0.57倍)。『X7』は0.87倍(35mm換算 0.54倍)。キヤノンのAPS-Cセンサーはサイズが小さいため換算だと逆転します。こればかりは大きい方が有利です。
製品名 | [NEW]D3300 | EOS Kiss X7 |
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ファインダー形式 | ペンタミラー | ペンタミラー |
ファインダー視野率(上下/左右) | 95 x 95 | 95 x 95 |
ファインダー倍率 (35mm換算) | 0.85 (0.57) | 0.87 (0.54) |
測光方式 | 420分割RGBセンサーによるTTL開放測光方式 | 63分割TTL開放測光 |
測光モード | ・マルチパターン測光:3D-RGBマルチパターン測光Ⅱ(G、E、またはDタイプレンズ使用時)RGBマルチパターン測光Ⅱ(その他のCPUレンズ使用時)・中央部重点測光:φ8mm相当を測光(中央部 | 評価測光(すべてのAFフレームに対応)部分測光(中央部・ファインダー画面の約9%)スポット測光(中央部・ファインダー画面の約4%)中央部重点平均測光 |
測光範囲 | ・マルチパターン測光中央部重点測光:0~20 EV・スポット測光:2~20 EV(ISO 100、f/1.4レンズ使用時、常温20℃) | EV1~20(常温・EF50mm F1.8 II 使用・ISO100) |
露出補正 | P、S、A、Mモード時に設定可能範囲:±5段補正ステップ:1/3ステップ | 手動:1/3、1/2段ステップ±5段 AEB:1/3、1/2段ステップ±2段 (手動露出補正との併用可能) |
ゴミ取り機構 | ○ | ○ |
ライブビュー | ○ | ○ |
バリアングル | – | – |
内蔵ストロボ | ○ | ○ |
バルブ撮影 | ○ | ○ |
まとめ
いかがでしたでしょうか??
販売から一年近く立っているモデルとの比較なので、フェアではないかもしれませんが、現時点でのエントリーモデル対決は、軽さ、コンパクト、LV時AF、タッチAF以外はほぼすべての面で『D3300』が上回っています。キットレンズ混みだと、コンパクトさでもシステムに拘ったD3300に軍配があがります。
Kiss X4からX5が約1年。X5からX7が約2年と販売時期を明けているため、X8が発売されるとしたら、4月くらいに登場するかもしれません。
途中で書いたように、動画は30pでしか撮れないX7ですが、正直30Pで十分です。ライビュー時のAF、タッチAFがどうしてもな方はX7で間違いないかと思います。
個人的に一眼レフは、ファインダーを覗いてなんぼなのとバッテリーが持つので、この2機種で迷うのならばD3300を推奨しますが、人によってフィーリングは様々、特にシャッター音や見た目は重要な要素です。やはり一度店頭で確認するのが一番かと思います。
もくじ