レンズ性能チェック・旧製品比較 『AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II 』レビューその3
今回は『AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II 』の基本性能を見て行きたいと思います。
旧レンズとのスペック比較から、焦点距離別の絞り値、歪曲収差などの簡易チェックを行っていきたいと思います。
使った機材
- D3200
- AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II
- チェックボード1号(デコタック)
今回初めての試みで、歪曲収差をホームセンターで購入したマス目上のボードで撮影してみました。
CIPAのISO12233準拠のシートを使うのが一般的ですが、あそこまで普段使いに必要ないだろうと思い、フランクな感じでこのレンズのおいしいところはこれくらいだよを目安に紹介してみたいと思います。
他にもレビュー記事がありますので合わせてご覧頂ければ幸いです。
以下レンズスペックを見ていきたいと思います!
レンズスペックと旧レンズとの比較
まずはレンズのスペックを見ていきます。重量、大きさが一回りコンパクトになったこと以外は、カタログスペック上はほぼレンズ構成など一緒です。特長なのは、MF時の最短撮影距離が約3cm短くなっています。細かな部分で改良が加えられています。
製品名 | AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II | AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR |
---|---|---|
発売時の価格 | \35,000 | \35,000 |
メーカー | ニコン | ニコン |
発売日 | 2014年2月6日 | 2008年2月22日 |
マウント | Fマウント DX | Fマウント DX |
焦点距離 | 18-55mm | 18-55mm |
開放絞り | f/3.5-5.6 | f/3.5-5.6 |
最小絞り | f/22-36 | f/22-36 |
レンズ構成 | 8群11枚 (非球面レンズ1枚) |
8群11枚 (非球面レンズ1枚) |
画角 | 76°-28°50′ | 76°–28°50′ |
ピント合わせ | 超音波モーターによるオートフォーカス マニュアルフォーカス可能 |
超音波モーターによるオートフォーカス マニュアルフォーカス可能 |
最短撮影距離 | ・オートフォーカス時:撮像面から0.28m(ズーム全域) | 0.28m(ズーム全域) |
・マニュアルフォーカス時:撮像面から0.25m(ズーム全域) | ||
最大撮影倍率 | ・オートフォーカス時:1/3.3倍 | 1/3.2倍 |
・マニュアルフォーカス時:1/2.8倍 | ||
絞り羽根枚数 | 7枚(円形絞り) | 7枚(円形絞り) |
絞りの範囲 | ・焦点距離18mm時:f/3.5-22 | |
・焦点距離55mm時:f/5.6-36 | ||
アタッチメントサイズ52mm | 52mm | |
寸法 | 約66mm(最大径)×59.5mm (レンズマウント基準面からレンズ先端まで、沈胴時) |
約73mm(最大径)×79.5mm (バヨネットマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約195g | 約265g |
MTF曲線 |
焦点距離別絞値と旧レンズとの比較
焦点距離別の絞り値です。
一見先代のレンズと同じ焦点距離、同じ絞り値に見えますが、焦点距離別に開放絞り値を見てみると随分違うことが分かります。新レンズはここでも優秀です。四段の手振れ補正と明るいレンズで、すべてにおいて上回っています。
製品名 | AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II | AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR |
---|---|---|
18 mm | f/3.5 | f/3.5 |
20 mm | f/3.8 | f/3.8 |
22 mm | f/3.8 | f/4.0 |
24 mm | f/3.8 | f/4.0 |
26 mm | f/4.0 | f/4.2 |
28 mm | f/4.2 | f/4.5 |
32 mm | f/4.5 | f/4.8 |
34 mm | f/4.5 | f/5.0 |
36 mm | f/4.8 | f/5.0 |
40 mm | f/5.0 | f/5.3 |
48 mm | f/5.3 | f/5.6 |
50 mm | f/5.6 | f/5.6 |
55 mm | f/5.6 | f/5.6 |
歪曲収差、周辺減光、解像度
今回のチェックボード1号で測定できそうな項目を、簡易的に測定していきたいと思います。
歪曲収差は何ミリで収まり、周辺減光はどれくらい絞ればいいのか、中央と周辺部の解像度の比較などなど検証していきます。
18mm
開放 f/3.5 では中央の解像度はまずまずですね。周辺減光、周辺部の流れが気になるところですが十分な気もします。周辺減光は一段絞ったf5で劇的に改善、f/5.6以上で周辺の流れも改善されます。
解像度のピークは、f/8 ~ f/11 でしょうか。今回のテストではf/8が一番シャープに感じました。
36mm
35mmで測る予定が36mmになってしまってました。どんまい。
36mmであれば解放からシャープです。シャープのピークはf/11、f/22では逆にボケてしまいますね。絞りすぎに注意です。
18mmでは気になった周囲の流れ、紫の収差もほとんど見られません。開放では減光がありますが、調査が必要な気もします。
55mm
開放からシャープです。減光も目立ちません。周辺も問題なくシャープですね。
シャープのピークがf/11で、f/22ではボケがめだちます。こちらも同様ですね。
いかがでしたでしょうか?新世代の標準ズームとなり高解像度機でもさらっと解像し、収差も軽微。なかなかのポテンシャルではないでしょうか??使えるコンパクト標準ズームとして覚えておいて損はないかと思います!