K-3 vs D7100 vs EOS 70D 機能比較。ペンタックス K-3から見るライバルAPS-C機の違いをみる
ペンタックスのフラグシップモデルとして発売された『K-3』。旧機種『K-5Ⅱ』の中でも見劣りのしていた機能などを底上げし、随意所に新しい試みをふんだんに盛り込んだ、フラグシップ機に仕上がっています。
ニコンの『D7100』は写真を撮るためのバランスの良い安定感のあるスペック。キヤノンの『EOS 70D』はライブビュー時の高速AFを一眼レフでも実現し、Wi-fiを搭載するなど使い勝手を向上しました。そんな2機種とK-3視点から比較してみました。
それでは比較を見ていきたいと思います。
現行APS-C機 中上位モデル『ペンタックス K-3』『ニコン D7100』『キヤノン EOS 70D』を比較する
製品名 | K-3 | D7100 | EOS 70D | ひとこと |
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発売時の価格 | \150,000 | \138,000 | \129,800 | |
メーカー | ペンタックス | ニコン | キヤノン | |
発売日 | 2013年11月発売予定 | 2013年03月14日 | 2013年08月29日 | |
よく買うショップリンク | ||||
注目機能 |
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仕様 | ||||
マウント | ペンタックスKマウント | ニコンFマウント | キヤノンEFマウント | |
ボディ外装 | マグネシウム | マグネシウム | プラスチック | K-3、D7100 はマグネシウムボディです |
画像処理エンジン | PRIME III | EXPEED 3 | DIGIC 5+ | |
画素数有効画素数 | 2,471 万画素 有効 2,435 万画素 |
2,471 万画素 有効 2,410 万画素 |
2,020 万画素 有効 2,020 万画素 |
K-3が有効2,435万画素とD7100を若干上回っています |
映像素子:企画映像素子:サイズ映像素子:種類 | APS-C 23.5 ~ 15.6 CMOS |
APS-C 23.5 ~ 15.6 CMOS |
APS-C 22.5 ~ 15.0 CMOS |
70DはAPS-Cながら一回り小さいセンサーを採用しています |
画素ピッチ | 3.9 μm | 3.9 μm | 4.1 μm | |
ISO感度 | 100 ~ 51200 | 100 ~ 6400 [拡張感度 : 100 ~ 25600] |
100 ~ 12800 [拡張感度 : 100 ~ 25600] |
K-3が通常の感度で 51200 となっていますが、使用感はどうでしょうか。 |
記録フォーマット | JPEGRAW | JPEGRAW | JPEGRAW | |
連写性能 | 8.3 | 6.0 | 7.0 | K-3 が 8.3コマ/秒で一歩リードコマ数でも余裕があります |
連続撮影コマ数 | RAW : 23~ JPG : 60~ |
RAW : 7~ JPEG : 33~ |
RAW : 15~ JPEG : 40~ RAW+JPEG : 8~ |
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レリーズ耐久テスト | 200,000 | 150,000 | 100,000 | K-3 が200,000万回のテストをクリア。ばしばしシャッターを切れます。 |
シャッター形式 | フォーカルプレーンシャッター | フォーカルプレーンシャッター | フォーカルプレーンシャッター | |
シャッタースピード | 1/8000 ~ 30 | 1/8000 ~ 30 | 1/8000 ~ 30 | |
モニタサイズ | 3.2 inch 104 万ドット | 3.2 inch 123 万ドット(RGBW) | 3.0 inch 104 万ドット | |
ローパスレス | ○(ローパスセレクタ対応) | ○ | – | K-3、D7100は流行りのローパスフィルターレス、K-3はさらにローパスセレクタに対応し、両方のニーズを満たせます。 |
オートフォーカス | ||||
AF方式 | 位相差AF | 位相差AF | デュアルピクセルCMOS AF(像面位相差AF) | 70Dはライブビュー時にも素早いAFが実現可能となるディアルピクセルCMOS AFを採用です。 |
AFセンサー | SAFOX 11 | アドバンストマルチCAM 3500DX | ||
AF測距点数 | 27点(クロスタイプ 25点) | 51点(クロスタイプ 15点) | 19点(クロスタイプ 19点) | K-3、D7100は暗所でのAFにも強くなっています |
AF輝度検出範囲 | -3.0 ~ 18.0 | -2.0 ~ 19.0 | -0.5 ~ 18.0 | |
AFエリア | スポットセレクトセレクトエリア拡大(S/M/L)ゾーンセレクト27点オート | シングルポイントAFダイナミックAF(9点、21点、51点)3D-トラッキングオートエリアAF | 1点AF(任意選択) ゾーンAF(ゾーン任意選択) 19点自動選択AF |
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AFモード | シングルAF(AF.S) コンティニュアスAF(AF.C) 自動選択AF (AF.A) フォーカス動作のカスタマイズ可能 |
オートフォーカス(AF) シングルAFサーボ(AF-S) コンティニュアスAFサーボ(AF-C) AFサーボモード 自動切り換え(AF-A)マニュアルフォーカス(M) |
ワンショットAF AIサーボAF AIフォーカスAF 手動(MF) |
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AFその他機能 | AF微調整±10 ステップ一律調整個別調整 (最大20本まで登録可) |
AF微調節可能 | – | |
自動露出機能 | ||||
測光方式 | 8.6万画素RGBセンサー | 2016分割RGBセンサーによるTTL開放測光方式 | 63分割TTL開放測光 | |
測光範囲 | EV-3~20 (ISO100・50mmF1.4) |
マルチパターン測光 中央部重点測光: 0~20 EV スポット測光: 2~20 EV (ISO 100、f/1.4レンズ使用時、常温20℃) |
EV 1~20 (常温・ISO100) |
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ファインダー | ||||
ファインダー形式 | ペンタプリズム | ペンタプリズム | ペンタプリズム | |
ファインダー視野率(上下/左右) | 100 x 100 | 100 x 100 | 98 x 98 | K-3、D7100 はファインダーを除いたままの構図で撮影ができる視野率100% |
ファインダー倍率 (35mm換算) | 0.95 (0.63) | 0.94 (0.63) | 0.95 (0.59) | センサーサイズの小さい70Dは35mm換算で一番小さい倍率となります |
その他機能 | ||||
防塵/防滴 | ○ | ○ | ○ | |
ボディ内手振れ補正 | ○ | – | – | K-3はレンズに左右されない手振れ補正を採用 |
手振れ補正方式 | イメージセンサーシフト方式 | – | – | |
バリアングル | – | – | ○ | |
クロップモード | – | x1.3 | – | D7100は x1.3 のクロップモードを搭載。ちょっと望遠したい時に撮影しやすい便利機能です |
Wi-Fi | – | – | ○ | |
動画仕様 | ||||
動画記録サイズ/フレームレート | 1920×1080 [60i/50i/30p/25p/24p] 1280×720 [60p/50p/30p/25p/24p] ■最長記録時間25分 |
1920×1080 [60i/50i][30p/25p/24p] 1280×720 |
1920×1080 [30p/25p/24p] 1280×720 [60p/50p] 640×480 [30p/25p] |
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ファイル形式 | MOV | MOV | MOV | |
音声記録形式 | モノラル | リニアPCM | リニアPCM | |
サイズ・重さ | ||||
サイズ(幅x高さx奥行き) | 132 x 100 x 78 | 136 x 107 x 76 | 139 x 104 x 79 | |
重さ | 715 g | 675 g | 675 g | |
インターフェース | USB3.0HDMI | USB2.0HDMI | HDMIUSB2.0AV出力 | |
参考撮影枚数 | 720 | 950 | 920 | |
対応記録メディア | SDHCカードSDカードSDXCカード | SDHCカードSDカードSDXCカード | SDHCカードSDカードSDXCカード | |
RAW+JPEG同時記録 | ○ | ○ | ○ | |
DxOMark Raw画質評価 | ||||
総合評価 | 80 | 83 | 68 | |
ポートレイト (色深度) | 23.7 | 24.2 | 22.5 | |
風景(ダイナミックレンジ) | 13 | 14 | 12 | |
スポーツ(限界ISO感度) | 1216 | 1256 | 926 |
主な違いをみる
映像素子・画像処理エンジン
画像処理エンジンには各社最新のエンジン、K-3が『Prime Ⅲ』、D7100が『EXPEED 3』、EOS 70Dが『DIGIC 5+』を搭載しています。画素数はK-3とD7100が約2,400万画素、EOS 70Dも約2,020万画素と違いはありますが、そこまで遜色はありません。
ローパスフィルター
ペンタックス K-3には、最大の特長となる『ローパスセレクター』を搭載しており、ローパスの効きを調整することが可能となっています。
D7100は写真の精細感に拘るローパスレス。EOS 70Dは動画などでもモアレがでにくいローパス搭載機となります。何を目的にするのかでも違ってくると思います。
ISO感度
カタログスペック的にはK-3の常用ISO100~51200がずば抜けていますが『DxOMark Raw画質評価』では画質におけるISO感度の許容値がK-3が1216、D7100が1256、EOS 70Dが926とD7100の画質が一番いいという結果になっています。K-3とD7100では差が少ないのであまり気にする必要はないとおもいます。
連写性能・AF性能
連写性能ではK-3が画素数が多く、ファイルサイズが大きいにも関わらず8.3コマ/秒と最速を誇っています。また連続撮影枚数でもRAW23枚~バッファの大きさにも秀でています。
AF性能は一般的にペンタックスは、ニコン、キヤノンには追いついていません。それでも激しい動体を撮らないのであれば、-3EVでのAFなど十分なスペックになってきたのではないでしょうか?
EOS 70Dはライブビューでの高速なAFが可能となるデュアルピクセルCMOS AFを搭載しています。
モニタ・ファインダー
モニタサイズはK-3とD7100が3.2インチを搭載しています。ファインダーでもK-3とD7100が視野率100%に倍率0.63(35mm換算)倍とEOS 70Dの3インチ、98%、0.59(35mm換算)倍を上回っています。
EOS 70Dのみバリアングル液晶を搭載しています。
サイズ・重量・ボディ外装・防滴防塵性能
サイズはK-3が 132×100x78mm(幅x高さx奥行き)と一回りコンパクトですが、重さがD7100、EOS 70Dと比べて40g程重くなっています。
K-3、D7100はマグネシウム合金のボディに、防塵防滴となっています。EOS 70Dはプラスチックボディと中級機としては若干残念な仕様です。
手振れ補正
K-3はボディ内に手振れ補正を内蔵し、どんなレンズでも約3.5段分の手振れ補正となっています。D7100、EOS 70Dはレンズに依存します。
そのためレンズ自体に手振れ補正を内蔵していないペンタックスのレンズは若干コンパクトになっており、システム全体ではK-3がコンパクトになります。
クロップモード
D7100には、換算焦点距離が約2倍となるクロップモードが搭載されています。
動画性能
動画性能では、すべての機種でフルHD(1920×1080)に対応しています。フレームレートは、K-3、D7100が60iまで。EOS 70Dは30pまでとなります。K-3のみモノラルでの録音となりますので注意が必要です。
Wi-fi・その他機能
EOS 70DはWi-fiを搭載し、スマートフォンへの転送などが容易となっています。
比較してみて
ペンタックスのフラグシップ機『K-3』は、後発の強みを生かし、独自の特色を全開に出しつつ必要最低限な部分でD7100、EOS 70Dとスペックを合わせてきました。
連写性能8.3コマ/秒と余裕のあるバッファー容量、耐久性のあるレリーズシャッター。ボディ内手振れ補正機能を利用した、他社では実現が難しいローパスセレクター機能。などなどこれからのペンタックスを担う面白い機能が追加されています!
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