一眼レフのミニ三脚「SUNWAYFOTO T1A10」レビュー。自由雲台「Velbon QHD-33」を組み合わせてみました。

普段カメラを持ち歩く方はたくさんいても、さすがに鞄に収まらない三脚を普段から持ち歩く方はさすがに多くないかと思います。

もちろん三脚が必要なことがわかっていれば持ちだしますが、そういう日ばかりではありませんね。

ですが一度出かけると、三脚を持ってない日こそ必ず1、2回はここで三脚を使いたい!!NDフィルターを使いたい!!!って場面が訪れ、その1、2回のために1kg以上の鞄に収まりきれない鉄の塊を持ち歩くのかが毎度の悩みになります。私は大体持っていかずに後悔するタイプです。

今回はそんな私があれこれ考えた結果、SUNWAYFOTO のミニ三脚「T1A10」と自由雲台「Velbon QHD-33」に落ち着いたので紹介してみたいと思います。

「ミニ三脚」のメリット、デメリット

ミニ三脚のメリット

ミニ三脚のメリットは

  • 鞄にすっぽり収まるコンパクトさ
  • 軽量
  • 手軽
  • 空いたスペースに別のアクセサリを入れられる

なとこでしょうか。

どんなに工夫されたトラベル三脚でも、畳んで収納したときにはどうしても径が太くなってしまい、小さめの鞄には収納できませんね。

ミニ三脚であれば、そもそも小さいので高さも幅もコンパクトに収まり、鞄にささっと収納することができます。

コンパクトに収まれば、普段の鞄にも入れられますし、フィルターを持ち出せたりと余裕ができますね!

ミニ三脚のデメリット

ミニ三脚のデメリットは

  • 背が低い
  • 重い機材だと心配
  • 傾ける角度が狭い
  • 選択肢が少ない

でしょうか。

小ささ故に犠牲になる部分が多く、何かを得ようとすれば、何かを失ってしまいます。脚を広げても幅が狭いために不安定になり、カメラの角度を変えることも制限されますね。

 

それでも小ささは最大のメリット。諦めない構成を考えて行きます。

「SUNWAYFOTO T1A10」を選んだ理由とミニ三脚のスペックを比較してみる

「SUNWAYFOTO T1A10」のスペックを参照しつつ、ミニ三脚の対抗となる、マンフロットのテーブル三脚「209」、Pixiシリーズの「Pixi Evo」「Pixi」、ちょっと大きい「Fotopro M-4 MINI」とスペックを比較してみます。

ミニ三脚メモ

Fotopro
M-4 MINI
SUNWAYFOTO
T1A10
Manfrotto
209
Manfrotto
Pixi Evo
Manfrotto
Pixi
Manfrotto
Pocket L
Velbon
CUBE
全高 450mm 50mm 45mm 200mm 135mm 40mm 940mm
最低高 150mm 50mm 45mm 105mm 135mm 10mm 240mm
格納高 175mm 140mm 140mm 230mm 185mm 10mm 240mm
約42mm 約52mm 約43mm
重量 670g 171g 94g 250g 190g 68 g 390 g
雲台 別途 別途 別途 一体型 一体型 一体型
耐荷重 2kg 4.5kg 2kg 2.5kg 1kg 1.5kg 400g
素材 アルミ アルミ アルミ アルミ
ネジ経 1/4 1/4
(3/8
変換ネジ付き)
3/8 1/4 1/4
脚段数 3 1 1 2 1 8
開脚段数 3 1 1 2 1 1
値段
17/5/25
9,960円 3,960円 2,691円 4,026円 2,218円 2,945円 4,700円

ミニ三脚を持ちたい人は、小さい、軽いの優先順位がとても高く、でもいろいろ撮りたいな欲張りな人だと思います。選択肢はそこまでないので、そこから手持ちの機材と照らし合わせてどれが使えるのかの戦いになりますね。

私の場合、三脚を使うことがある一番重量のある組み合わせが、Nikon D750(バッテリー込みで840g)とNikon Ai AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D(935g )の組み合わせです(持ち出す頻度は低いですが)。これだけで約1,775g。そこにストラップなどがついているので実際の重量は1,887gとなりました。うん。重いしでかいですね。

そうなると耐荷重で2kgは耐えてほしいので「SUNWAYFOTO T1A10」か「Manfrotto Pixi Evo」の2択。「Manfrotto 209」はネジが3/8なので、手持ちの自由雲台のネジが1/4だったため、使えないので却下しました。

昔愛用していた「Velbon CUBE」がせめて1kg程度でも耐えてくれれば選択肢が広がってベストなんですが…。

選んだ理由は耐荷重と選べる「雲台」、高さを変えれる「エクステンションポール」。

そんな2つを比較してなぜ「SUNWAYFOTO T1A10」を選んだかといえば、

  • 金属の塊感
  • アルミ切削によるシンプルな構造による4.5kgの「耐荷重
  • 雲台」が選べる
  • おまけの「エクステンションポール

です。

アルミの切削加工によるシンプルな構造で非常に剛性感のあるしっかりした作り。高さがないのは逆にメリットと考え耐荷重は4.5kgと十分すぎるスペックです。「耐荷重」自体は諸説ありつつ「雲台」次第にもなりますが、脚元ががっしりしているのは大きなメリットです。

「エクステンションポール」についてはあくまでおまけですが後述します。

 

「SUNWAYFOTO T1A10」のレビューを見るとちょっと工作精度に違いがあるよう

私の所有しているものは半年近く使っていて全く問題ありませんが、個体によっては緩みやすくなるといった不具合もあるようです。

雲台は「Velbon QHD-33」を。ミニ三脚の雲台は「自由雲台」がおすすめ

ずっと雲台を付けて撮影していますが雲台は別売りです。

一体型ではないミニ三脚の場合は、そのままの状態でカメラを付けて使ったり、クイックリリースクランプなどを載せて脚の角度で水平を調整してもいいかと思います。私的には角度を微調整しやすい自由雲台がおすすめです。

小型雲台メモ

Velbon
QHD-43
UTEBIT
ボールヘッド 雲台
SLIK
SBH-120 BK N
Velbon
QHD-33
SLIK
SBH-100 BK N
高さ 78mm 60mm 75mm 68mm 62mm
底面径 38mm 30mm 37mm 33mm 33mm
重量 160g 137g 130g 130g 100g
耐荷重 3kg 3kg 2.5kg 2kg 2kg
三脚取付ネジ 1/4 1/4 1/4 1/4 1/4
値段
(17/5/25)
4,318円 958円 4,128円 2,327円 2,854円

カタログスペック的にはこんな感じです。

中華な雲台は相変わらずカタログスペックが素晴らしいです。

もともと持っていたのもありますが「Velbon QHD-33」を使用しました。

Velbonの固定式の自由雲台は、カメラを固定する時に片手でくるくるネジを閉められて便利なので愛用しています。

バランスでみると中華の「UTEBIT ボールヘッド雲台」が耐荷重も3kgで比較的小さくてすてきですね。付け外しの時は三脚自体を回転させないといけないのがちょっとめんどくさいですが、アルカスイスな方はこれにクランプを挟む手もあります。

また「Velbon QHD-33」を改造された方もいるので参考に貼っておきます。

「Manfrotto PIXI EVO」の雲台は自由が意外とない

「Manfrotto PIXI EVO」は雲台が固定されている

「Manfrotto PIXI EVO」は雲台が固定されているため、溝の位置が一定です。

そのため角度を付けたい時にちょっと横に構図をずらしたい場合は三脚自体を回す必要がでてきます。使っていてここに一番ストレスを感じました。

「Velbon QHD-33」は360°回転できる

「Velbon QHD-33」はレバーを緩めれば雲台自体が360°回転します。おかげで三脚を動かさずに柔軟に位置を決めることができますね。

使っているとこれが思ってる以上に大きな差になります。

例えばちょっとした岩場に置きたいとき。手すりに置いて三脚の角度を調整する余裕がないときなど、脚の位置はずらさずに角度だけ微調整がしたいって場合は多々あると思います。そんな時にすごく便利なのです。

 

そんなこんながあり、結果出来たのが「SUNWAYFOTO T1A10」と自由雲台「Velbon QHD-33」の組み合わせ。

この三脚を持ち出す時は、単焦点レンズや比較的軽量の広角ズームなどの装備が多いですが、これで試してみても十分な安定感です。

角度をつけても安定感は抜群です。ただ脚が低すぎるので、モニタを確認することが難しくなりますが…。

重心の位置をしっかり合わせれば、この大きさのミニ三脚でも縦位置撮影が可能です。

私の装備で一番重量のある「AF Nikkor 300mm F/4」を試しに組み合わせてみました。

2,254gと雲台側の耐荷重をオーバーしているので使うことはないと思いますが意外と安定してました。レンズ側に三脚がつけられるので重心が安定しているからかもしれません。

光跡
かめらと。

光跡城南島海浜公園

D750, Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D, 50mm, 25秒, ƒ/11, ISO100

こちらはミニ三脚だけで25秒程開けて光跡を撮ってみました。見上げてのんびり撮影する時にとっても便利ですね!

東京駅
かめらと。

東京駅東京駅

D750, Ai AF Nikkor 20mm f/2.8D, 20mm, 15秒, ƒ/11, ISO100

こちらは15秒程。ニコンだと「露出ディレーモード」、キヤノンでは「ミラーアップ撮影」でしょうか。事前にミラーアップする機能を使うとブレなく簡単に長秒露光で撮影できます。

写真でみる

脚だけです。金属の塊感がすてきですね。

高さは140mm、幅は私計測で約42mmです。

「Velbon QHD-33」をつけてこんな感じ。

高さは約210mm、雲台を傾けて収納すれば約187mmまで縮まります。

大体500mlのペットボトルの大きさが、直径65mm×高さ205mm なのでそれよりも少し高いくらいですね。

開くと直径は27cmになります。

「Manfrotto PIXI EVO」はマックスで44cmになるのでさすがにこれは敵いません。大きいレンズを載せなければ十分です。

細い場所に置きたいのであればちょっと脚を細めます。関節部は固めになっているので途中でもしっかり止まってくれます。

ネジは1/4と汎用的。3/8に変換するアダプタもついてきます。

脚はゴム製ですべりにくい仕様。

小さく開脚する場合もありますが、丸型の脚なので様々な角度に対応できます。

開閉がゆるくなってきたら六角レンチで閉めればOKです。

アルミの切削加工によるシンプルな構造で非常に剛性感のあるしっかりした作り。

縦で撮ってみました。

アルカスイスな雲台と、L型プレートを組み合わせれば縦位置撮影も簡単です!

高さを諦めない「エクステンションポール」

ミニ三脚を使っていると、手すりや台の上に工夫して置いたり、それこそ地面に置くことも多くなります。それを活かすのも楽しいですが、せめてちょっとだけ高さを出したい場合が出てきますね。

そんな時には「エクステンションポール」。これを使えば無理やり高さを稼ぐことができます。

これはミニ三脚を買った後に気づいたんですが、こんなアイテムも用意されている辺りどこかに需要があるんだなと思いました。

SUNWAYFOTOのエクステンションポール「ET-01」です。カーボン製の豪華仕様で重さは119g。

雲台側のネジが1/4。三脚側のネジは3/8になっているので大体の三脚に対応できます。1/4に変換するネジアダプタもついているので安心です。

付けてみました。

専用のアクセサリと言ってもいいアイテムなのでデザインの統一感もあり、私的にかっこよすぎます。

伸ばしてみました。

高さ的には合わせても43cm程度にしかなりませんがないよりはましな高さです。逆にこれ以上高いと脚の幅が狭いせいで不安定です。緊急的な場面でこれだけ稼げれば十分ですね!

フルサイズの一眼レフと大口径ズームだとちょっと重すぎますが、軽量なレンズや、マイクロフォーサーズなどの軽い機材であれば十分安定して使用できます!

鞄に両方入れてもかさばらない

三脚をたためば、両方合わせてもかさばらないので鞄にするっと入れておけます。すてきですね。

「エクステンションポール」を使って撮影する時は注意が必要

必ずレンズの方向に脚を置く

基本的な三脚の使い方ですが、必ず重心が傾く方向に「脚」をおきましょう。そうしないとレンズの重みや、ちょっとの衝撃で倒れやすくなってしまいます。

ちょっとでも不安定だと感じたら使わない

同じことですが、エクステンションポールを使った場合は重心が上になり、レンズによりますがとても不安定で倒れやすくなります。

短い単焦点レンズであれば問題はありませんでしたが、フロントヘビーなレンズは絶対に避け、少しでも不安定だと感じたら使わないようにしましょう。

また、倒れるのが怖いので撮影場所から離れる場合は必ず持ち運ぶように。

こちらは「SUNWAYFOTO T1A10」と「SUNWAYFOTO ET-01」の組み合わせ。

13秒で露光していますがブレもなく撮影できています。風もなくコンディションが良ければ伸ばした状態でも十分撮影が可能ですね!

 

特に絶景をがんがん撮るタイプでもないので、これくらい写れば十分だと思ってます!

 

今回のまとめ

ミニ三脚の構成を考えてみました。

色々書きましたが、結局金属の塊って所有欲が満たされますよね!という記事かもしれません。ミニ三脚「SUNWAYFOTO T1A10」は調べてもあまり使っている方がいなく、エクステンションポールなんてさらにニッチすぎるレビューだと思いますが、私的にかなりの満足度です。

そもそも普段からカメラを持ち歩く方も少ないのかなと思いますが、こんなのもあるんだと笑ってみていただけると嬉しいです。

そしてこの記事を作りながら、また新しいミニ三脚を見つけてしまったのはまた別のお話です。

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