Lightroomの現像でローエンドグラボ(Geforce GT 1030など)はどうなのか?GPUの負荷や使用率について簡単に調べてみました。

パソコンのスペックががんがん上がっていく昨今ですが、自分に必要な最小の構成でギリギリのスペックを攻めていくのが好きな管理人です。こんにちは。

現像にはLightroom Classic CCを使用していますが、結局グラフィックボードの性能がどれだけ必要なのかがいまいちわからないと思います。もう一年程前になりますが、手元にGeforce GTX 1050ti、Geforce GT 1030と2枚のグラフィックボードがあったことがあり、あくまで主観になってしまいますがGPUの負荷が使用率について簡単に調査してみましたのでまとめておきます。

パソコンケースや予算に制限のある時、コスパの高い現像パソコンを購入するなら知っておきたい情報だと思います。

ちなみに、Geforce GT 1030というグラボは、現在発売されているグラフィック統合のAMD Ryzen 2400Gや、ノートパソコン用のGPU Geforce MX150と同程度の性能となります。これから現像用にローエンドのパソコンを組む時、ノートパソコンを検討する際の指標にもなるかと思いチェックしてみましたのでお付き合いいただければ幸いです。

※一年程前の未公開記事を再編集して公開しています。

調査方法

調査環境

  • Core i7 4790
  • メモリ DDR3 1600 24GB
  • SSD Samsung 860 EVO 500GB
  • 約2,430万画素(25MB程度)のRAWファイル

ベースはこんな環境です。これに対して以下のグラボ、

  • GeForce GTX 1050 Ti
  • GeForce GT 1030

を乗せ換えて実験してみます。

 

GPUの使用率を測るアプリは以下を使用。

 

ログをとるのが難しいのですごく簡単なテストだけ行いました。テストのために同時に立ち上げていたものは以下になります。

  • Lightroom Classic CC
  • Photoshop CC
  • Google Chrome Youtube 4K動画

以上を起動して、Lightroom Classic CCのスライダーをグリグリ動かして動作の実験を行いました。

 

スコアを観察してみた

GeForce GT1030クラスのローエンドからミドルレンジがあれば意外と十分

早速結果です。

簡単にですがミドルレンジのグラフィックボードGeForce GTX1050TiとローエンドのGeForce GT1030で現像作業中にGPUにどれだけ負荷がかかるのかをテストしてみました。

上の画像は左がGeForce GTX1050Ti、右がGeForce GT1030を搭載してLightroom CCの各パラメーター、調整マスク、補正ブラシなどをグリグリした結果になります。

 

画像の上側が「Open Hardware Monitor」と呼ばれるアプリ、下側がいつもの「タスクマネージャー」です。

  • 画像上の右側の赤枠内の数値が瞬間的に最大どれだけGPUを使ったか
  • 画像下がリアルタイムにどれだけ負荷がかかっているか

 

違いが出たが体感的にはあまり感じず

もう一度同じ画像です。

見比べてみるとGPU自体のクロック数の変化はほとんどなく、上側「Open Hardware Monitor」のGPU Coreと呼ばれる項目と、GPUメモリが大きく変化しています。

同じような負荷をかけ、GPU Coreが1050Tiでは最大69%GT1030では最大95%に達していました。タスクマネージャーで確認しても3Dと呼ばれる項目のグラフに差があり、全体的にGT1030の方が負荷がかかっています。メモリは両GPUとも総メモリ量が変わらず1.5GB前後程使用しており、4GBのメモリを積んでいる1050Tiはかなり余裕が出ています。

 

体感的な違いはあまり感じないがGT1030はぎりぎりか?

この当時はメインでGTX 1050Tiを使っていましたが、体感としてLightroom Classic CCでの現像作業に十分でした。そしてGT1030で現像作業を行っていても体感できる違いは特にありません。Lightroom Classic CCを触りながらだと、GT1030では4Kで再生していたYoutubeの動画止まりやすかったくらいでしょうか。

体感的にはあまり違いが判りませんでしたが画像のように見比べるとしっかりとGPUにも負荷がかかっていると確認できます

中古パソコンを試しに購入した時についてきたAMD Radeon R7 250 2GBを使ってみましたが、こちらは現像作業中に処理がもたつき、カーソルなどがカクカクしてしまうことがあり、GPUのチェックを外しても同様です。ローエンドのGT1030クラスでもしっかりと恩恵を受けていると感じます。

 

それぞれの感想

CPUのみ

常にCPUが100%に張り付いたような感じ。

Lightroom CCのスライダーを動かすとワンテンポ遅れて反映されます。マスクや調整を重ねたデータは計算にややかかります。

 

GeForce GT 1030

GPU Coreの数値をみるとそれなりに負荷がかかっているようですが、常にマックスかといえば全くそうではなく、30%前後をウロウロしていました。

体感的には悪くないスピードです。

 

GeForce GTX 1050 Ti

GPU Coreの数値や、タスクマネージャーのグラフを観察すると明らかにGT 1030よりも負荷が軽減されています。

動作速度的にはGT 1030と比べても大きな変化は見られませんでした。

 

ローエンドGPUでも悪くない。マルチタスクの場合はミドルレンジ以上が安心か

単純に現像処理を行う場合にはまったくどちらも問題ないですが、4Kディスプレイやマルチディスプレイな人は、あっちのアプリも起動して、こっちのアプリも起動してになることが多くなるのでできればミドルレンジ以上のグラフィックボードを選ぶといいでしょう。

 

お金をかけるならCPU、メモリ、SSD

ゲームをやらないで、もしお金をかけるのであれば間違いなくCPUとメモリ、SSDがおすすめです。1万円の上乗せならCPUの上位グレードを購入しましょう。

参考までに少し古いですがパソコン工房さんのLightroomパソコン検証は以下になります。

パソコン工房さんの記事を簡単にまとめると、

  • 【CPU】書き出しにはコア数多いほうがいい
  • 【CPU】1:1プレビューの生成は動作周波数が高い方がいい
  • 【SSD】SSDは正義。M.2 NVMeでも体感的に大差ない
  • 【メモリ】Lightroomだけなら8GBで大丈夫、16GBもあれば余裕
  • 【GPU】Geforce GTX750で十分

といった感じです。これは現在のLightroom Classic CCでも変わらない仕様だと思います。

「パソコン工房」さんの記事にあったGeForce GTX 750は世代的に古いもので、性能的には「GT1030 < GTX 750 < GTX 1050」となります。もしゲームをやるならミドルレンジ以上のものがいいでしょう。

 

グラフィック統合の「Ryzen 2400G」やノートパソコンのGPU「Geforce MX150/MX250」

GT1030 vs Ryzen 2400G

グラフィック統合型の「Ryzen 2400G」。CPUとGPUが統合されているのでグラフィックボードを買わずにすむすごいやつ。

ベンチ上はRyzen 2400Gが上です。

Ryzen 2400Gは以前触りましたが、ゲームなどのベンチマークスコアは高めにでますがLightroomにおける実使用はやや劣っていると感じ、安定性も含めるともう一歩といったところでしょうか。

次の世代ではさらに進化して6コアモデルが噂されており、もしそれが発売されればコスパ現像マシンとしては最高の選択肢になるかと思います。噂がどうなるのか分かりませんが引き続き期待したいラインです。

 

Geforce GT1030 vs Geforce MX150

こちらは13インチのそこそこ上位のノートパソコンに搭載されているGPU「Geforce MX 150」です。ベンチ上は「GT 1030」の方が上です。

Geforce MX 150は2つのスペックが混在されているらしくこちらは速い方です。今後「Geforce MX 250」が出たりと、上位モデルでは搭載機種が増えてくるイメージです。

今度販売することが予想される「HUAWEI MateBook 14」は液晶のサイズも大きく、Geforce MX 250搭載です。モバイルノートとしては値段次第で本命になってくるかなと思います。

 

現在、Geforce MX150搭載のRazer Blade Stealthを使用していますが一口に言って最高のモバイルノートです。DELL XPS 13の反省を踏まえて、バッテリー重視でフルHDモデルのノングレア(非光沢)タイプにしましたが大正解です。CPUの進化とGeforce MX150のGPUの支援も相まって現像もサクサクですし、このサイズのラップトップであれば私的にこれ以上の解像度が必要ないことに改めて気づきました。

大画面で確認したい場合は、外部ディスプレイを接続しますので問題なしです。私は英語キーボードで使用しているため海外のAmazonから輸入して購入しました。

 

余裕のあるスペックが大事

こんな記事を書いてみましたが将来的には高画素機を使用することもあるので、できたら高性能なパソコンを購入するほうがいいでしょう。いまならデスクトップならCore i9、ノートパソコンならコスパ的にも15inchのゲーミングPCが現像パソコンのトレンドかと思います。

 

現像パソコンで予算の範囲内でどこにお金をかけていいかのか分からない。といった場合には今回の検証結果からもグラボ以外をおすすめします。1万円余剰があるならCPU、メモリ、SSDに使いましょう!

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう!
Youtubeもはじめました!


週間人気ランキング

ご要望、不具合報告、まとめページのリンクについてはこちらよりお問い合わせください。