七福神といえば七つの幸せと七つの厄払いをしてくれると人気の7柱の神様のことですね。お正月の2日に枕の下に七福神の乗った宝船の絵を入れておくといい初夢を見ることができるという言われもあります。
そんな七福神ですが、お正月の風物詩として全国各地の神社やお寺で「七福神巡り」が行われています。私の家から比較的近くでも例年「東海七福神巡り」が行われ、指定された神社やお寺を巡って御朱印を集める人で賑っています。
私は御朱印を集めることはしませんが、こういった催しは好きなので今回はのんびり散策がてらに「東海七福神巡り」を楽しんできました。
東海七福神
東京都の品川区の「品川神社」から大田区の「磐井神社」にかけて「旧東海道」の約4km程の道を歩く七福神巡りです。最短で歩けば1時間程であるけてしまう道のりなので、ちょっとしたお散歩にぴったりです。
「東海七福神」は以下の神社やお寺を訪れます。
- 品川神社 – 大黒天
- 養願寺 – 布袋尊
- 一心寺 – 寿老人
- 荏原神社 – 恵比寿
- 品川寺 – 毘沙門天
- 天祖諏訪神社 – 福禄寿
- 磐井神社 – 弁財天
順番はどちらでもいいですが、今回巡って思ったのは磐井神社から品川神社に向けて歩いた方が、最後にちょっとだけ「旧東海道・品川宿」の雰囲気が味わえ、商店街も賑わっており達成感があるので逆ルートがおすすめです。
今回のスタートは京浜急行線「新馬場」駅から歩いてすぐの「品川神社」です。東京十社にも数えられる神社で、東京三鳥居とも言われている龍が彫られている珍しい鳥居がある神社です。
ウォーミングアップがてらに境内でぱしゃっと。
富士塚
品川神社にはすごく立派な富士塚が存在します。神社へ登る階段の脇から登り始めますが、「登山道」「1合目」「2合目」…と書かれた石碑が順に置かれ、プチ富士登山が味わえます。
東京の各地には富士塚が存在しており、まだ3座程しか登頂しておりませんが、いずれ全て踏破してみたいと密かに思っています。
山頂からの眺めです。青空が広がりとても気持ちよかったです。いきなり脱線していますね。
境内には一本だけフライング気味に紅梅が咲いていました。まだまだ寒い日が続きますが、元気な花をみるとほっこりしますね。
大黒天
品川神社の鳥居は、龍が彫られた珍しい鳥居。肝心の大黒天の石像はこちらにありました。そんなわけで「東海七福神巡り」のスタートです。
品川神社から正面の道路を入ると「旧東海道・品川宿」のエリアでレトロな街並みが続きます。この道をまっすぐ進んだところに次の目的地の看板が。この辺りは神社やお寺が密集しています。
ついつい撮ってしまった「笑門」。素敵な正月飾りですね。こんな感じの素敵なエリアなので、時間もゆったり取っておきたいところです。
品川神社から歩いて5分程。路地に入って少し歩くとあっという間に到着しました。随分モダンな門構えの「養願寺」です。こちらのお寺には「布袋尊」が祀られています。
七福神はそのルーツがヒンドゥー教、仏教、道教、神道と様々ですが「恵比寿」「弁財天」「大黒天」の古くから人気があり、それぞれが信仰の対象になった神さまが神社に祀られている場合が多いです。
寿老人
続いて「一心寺」。先ほどの養願寺からほとんど正面に位置するお寺です。こちらは「寿老人」がお祀りされています。
先程のことから寿老人はお寺で祀られていることが多いですが、神田七福神の白鬚神社(しらひげじんじゃ)では白いヒゲの長寿の神様として白鬚大明神と結びつき、「寿老神」として祀られている珍しい神社です。このように場所によっては同じ神様でも祀られ方が変わり、ご利益も同じではなかったりするのが日本の神様の考えの面白いところだと思います。
いい雰囲気の商店街を少し歩くと川が見え、その右手にあるのが「荏原神社」です。
恵比寿
荏原神社には恵比寿様が祀られていました。
恵比寿様は七福神で唯一の日本の神さまですが、その由来には諸説あるようです。大きな福耳に、右手に釣竿、左脇には鯛を担ぎ「五穀豊穣」「商売繁盛」をもたらすとして人気の神さまですね。
子連れの狛犬をパシャり。
荏原神社を出てしばらく歩くと青物横丁の商店街が見えてきます。このエリアの近くには品川シーサイド駅が有り、楽天の元本社が鎮座していたエリアになります。
この周辺も賑わっていますので、ご飯休憩にもちょうどいいかもしれません。その商店街をスルーして少し歩いたところにあるのが「品川寺(ほんせんじ)」です。
毘沙門天
こちらには元はヒンドゥー教の戦いの神様「毘沙門天」が。仏教においては4天王の一角に数えられる武神ですね。財運招福、武道成就などのご利益が。微笑ましい笑顔にニッコリです。
こちらは「江戸六地蔵」と呼ばれているお地蔵様だそうです。東横インを尻目にぱしゃり。
どういうものか気になって調べてみると、その名の通り六尊が作られ、江戸の六街道の入り口で街道を行く人々の無事を守り、江戸御府内の疫病を払う。といった京都の六地蔵に倣って江戸時代に造立されたそうです。すでに千葉街道の一尊は現存していないですが、その他は現存しているようなのでこれまた訪れてみたいところです。
品川寺を出ると旧東海道の商店街の盛り上がりもすっかり薄れ、普通の道路を歩くことになります。
あまり歩いていても面白くないので、そういえば近くに「品川花街道」があるなと立ち寄ってみることにしました。春には桜や菜の花が、秋には秋桜が咲く綺麗なスポットです。運河をのんびり歩いて次の目的地に向かいます。
福禄寿京浜急行線「立会川」駅のすぐ近くにあるのが「天祖諏訪神社」です。
この周辺は何故か坂本龍馬推しになっており、駅横の公園には銅像が建てられているので時間があれば見に行ってもいいかと思います。
今年の干支の戌が描かれたかわいい絵馬がついた鏑矢。ついついぱしゃっと。
天祖諏訪神社を出て地図のとおりに進んでしまうと、風情もへったくれもない国道を歩かされます。ちょっと道をそれると「しながわ区民公園」があるのでこちらを通り抜けるのがおすすめです。

ちょっとした自然散策でした。公園内には「しながわ水族館」もありますので、時間があれば寄ってみると楽しいと思います。
しながわ区民公園を抜けて、国道をちょっと歩くと「磐井神社」に到着です。なんだかんだ写真を撮りながらのんびり歩いてきたので2時間30分程かかっているでしょうか。
磐井神社にある弁財天社です。
弁財天
全国各地にある弁財天社は弁天様をお祀りしています。「天」は仏教における、仏法、仏教徒を守る守護尊のことを表しますが、なぜ神社で祀られているかといえば、弁天様は日本神話に登場する「市杵島姫命」と同一視されていることにつながります。
日本三大弁財天社は神奈川県「江島神社」、広島県「厳島神社」、滋賀県の琵琶湖に浮かぶ竹生島にある「竹生島神社」です。江島神社、厳島神社は有名すぎるので訪れたことがある方も多くいるかと思います。ただ、どれも前述のことから総本社ではなく「市杵島姫命」の総本社は九州にある「宗像神社」になります。この辺りもルーツなどを調べていくと色々面白いと思います。
厳島神社はカメラを始める前に訪れているのでまともな写真がありませんでした。
ちなみにですが、普段何気なくお参りしている神社にはルーツとなる「総本社」が存在します。例えば各地にある稲荷神社の総本社は千本鳥居で有名な「伏見稲荷大社」ですね。
稀にルーツが失われている神社もありますが、自分が住んでいる土地を守る氏神様の総本社を知っておくと、旅行の際にもまた面白いかと思います。
といった感じで東海七福神巡りをしてきました!
磐井神社で終わりにしてしまうと近くにあまりご飯屋さんもないので、こちらをスタートにして品川神社で終わりにすることをおすすめします。
お正月の風習として参拝する七福神巡りですが、通年でも行われているものもあるようです。開催時期以外では、七福神巡りの御朱印や、七福神の像が公開されていないことも多いので七福神巡りを行いたい方は注意しておきましょう。単純に神社巡りとして考えるのであれば、通年でも楽しめるので近くの七福神巡りを調べてみてください!
スポンサーリンク