中国メーカーのお安いレンズはちょいちょい出てきますが、そんな中華レンズメーカーの中でもひときわ際立ってしまう、お値段なんと7,500円を切るPergear 25mm F1.8を購入してみました。お値段以上の写りでとても楽しめると評判のレンズですが使ってみて納得の写り。今回は何日か使ってみてのインプレッションを書いてみたいと思います!
Pergear 25mm F1.8
今回のレンズはPergearさんのPergear 25mm F1.8 Xマウント用です。このレンズは他にもソニーEマウント(APS-C)、マイクロフォーサーズマウント用が用意されており、どちらもお値段が定価で7,500円を下回る価格で販売されています。付属品には前後のキャップ、金属フード、ポーチが付いてきてこの価格になりので手を出しやすいレンズだと思います。
金属製の筐体で値段を言わなければ7,500円とはとても思わないルックスです。X-E2のような古いデジタル機にマニュアル専用レンズならボディのAFの遅さも気になりません。お試しにぴったりの組み合わせです。
レンズ下部には「Pergear」のロゴがさりげなくプリントされています。
絞り、ピントリング共にローレットが刻まれており、指が引っかかるので操作しやすくなっています。
ピントリングは無限遠のマークの先まで回せてしまうオーバインフな仕様です。細かい加工精度なんて気にしてる値段ではないので無限遠が出なくならないようにするための仕様ですね。
絞りリングはクリックのない無段階調整。ピントに比べるとやや重めですが、引っかかりもなく適度な感触で操作感は悪くありません。ただし電子接点がないのでカメラ側に絞りの情報が反映されず、ファインダーを覗きながら操作を行うと現在の絞り値が分からないのがしょうがない所です。絞りがスムーズに移行できるので動画には便利かもしれませんね。
マウントもしっかり金属です。フィルター径は43mm。壺型フードも似合いそう。
絞りの数値を見てもらえば分かりますが、富士フイルムのカメラを使う場合に一つだけ問題になるのがピントと絞りの「回転方向」が逆だということです。富士フイルムのレンズは左回しでピントを手前、絞りを開ける。右回しでピントを奥、絞りを絞る。ですが、このPergear 25mm F1.8は全て逆になっています。
レンズの大きさは小さいですが177g(付属のフード192g)です。XF 35mm F1.4Rが186g(198g)ですが、持ち比べると、小型の割に重量があるのでずっしりと感じますね。
Pergear 25mm F1.8 で撮ってきました。
しばらくX-E2に付けっぱなしにしたり撮影に持ち出してみました。このレンズを使ってびっくりしたのは開放での中央部の解像度です。値段の先入観が大きいのでオールドレンズチックに開放が滲むような描写を考えていると裏切られる描写です。絞り羽根が10の影響かボケがとても柔らかく、中央がしっかりシャープなのと相まってとても立体感を感じる描写になっています。
APS-Cセンサー搭載カメラで使用すれば35mm換算約37.5mmになります。風景もある程度これ一本で対応できるので、散歩用に持ち出すレンズに丁度いいですね。
ボケも柔らかくていい感じです。小さいレンズなのでボケがぐるぐるしちゃうかな?と思いましたが踏みとどまっている印象です。玉ボケもキレイです。
最短撮影距離が20cmなので意外ともう一歩が寄れるのもありがたいところです。
テーブルフォトもこなせてしまいます。
描写についてみると絞り開放では周辺の減光が目立ちます。写真の右側より左側が暗いのは私の個体でしょうか。
注目するきっかけとなったOKPさんの記事ではマイクロフォーサーズで使用しています。マイクロフォーサーズだと35mm換算50mmになるので、APS-Cのカメラに比べて周辺部がカットされた写りですね。比較すると随分違った印象になると思います。
撮影していて気になったので絞った状態(恐らくF8)で周辺の画質を比較してみました。写真の右側に比べて左側の画質がはっきり分るような「方ボケ」になっています。
とはいえ7,500円のレンズにそんな事を求めるのは酷なもの。絞り羽根が10枚でボケもキレイだしこれだけ楽しめれば十分です。
絞って上手く合わせるとキレイな光芒で撮影することが出来ます。偶数枚なので対称的な光芒です。
色もナチュラルでですね。この写真の絞りは恐らくF2.8。電子接点がないので写真のExifには絞りの情報が記録されません。
先程も書きましたがオーバーインフな設計になっているので無限遠が少し難しいです。ピントリングの調整をミスしていきすぎると絞っていてもボケていることがありました。
ピント面がシャープでボケが柔らかく減光もたっぷり。これでいいんだと思わせてくれるレンズです。富士フイルムのカメラにも良く合う描写です。
開放で近景から遠景を合わせて撮影する場合、近影にピントを合わせると周辺がざわついた描写になりました。たまに癖が出てくることがあるのでコントロールできると面白いと思います。
思った以上に普通に写ってくれていますが、太陽光を入れれば期待通りにフレアやゴーストもしっかり現れてくれます。色々できてこれは楽しいですね。
夕日を浴びせてみました。ここまで正面から光を入れるとフレアが出現して全体のコントラストが低下します。明暗差の大きい場所でありがちな色収差は思った以上に抑えられている印象です。再三言っていますが新品7,500円とは思えない性能です。
Pergear 25mm F1.8はAPS-Cのカメラで使えば35mm換算約37.5mmと画角的にも扱いやすく、価格が価格ですが色物ではなく真っ当に使えるレンズだと思いました。
絞りや光の加減で写りが変化するのが面白く、それでいて開放でも中央がシャープなので撮っていて楽しいレンズです。初めての単焦点レンズや初心者の写真の勉強にもとてもいいレンズだと思います。また富士フイルムはサードパーティ製のレンズがあまりないので、たまにはこういった変化も楽しめると思います。
シルバーのレンズもあるのでボディに合わせられるのがいいですね。
ソニーEマウント、マイクロフォーサーズマウント用はこちら。
F1.2のレンズも1万円ちょっとと驚きのお値段です。手軽に試せる価格でありがたいですね。