コンパクトなシステム好きの私ですが、元々NisiさんからGR IIIやX100用にコンパクトな角型フィルターが発売されているのを羨ましいなぁと指を咥えてみていました。ふとした時に、未練たらたらでどうにかなんないもんかと「NiSi GR III ホルダー」を眺めていたら「フィルター径49mmに対応」の記述がありました。GR IIIは35mm換算約28mmのレンズ。あれ?これって使えるんじゃない?と思いついたのでものは試しと購入、テストしてみた次第です。
角型フィルターといえば導入への敷居が高く、サイズも大きくてカバンを専有してしまうので運用には色々と考えものだと思います。そんな角型フィルターをどうにかコンパクトな形で使いたいと考えていましたが、XF18mmF2 Rに「NiSi 角型フィルター RICOH GR III ホルダー」に取り付けられることが分かり最高のシステムが出来上がりました。
事の発端
事の発端は「NiSi 角型フィルター RICOH GR III ホルダー」がどうやら49mmのフィルター径に対応している表記を見つけてしまったことです。
専用フィルターのような表記になっていますが、結局はフィルターなので取り付けることさえできれば使用することができるはずです。
用意したもの
色々あった末の最終的に以下のものを用意しました。
- XF18mmF2 R(フィルター径52mm)
- NiSi 角型フィルター RICOH GR III ホルダー(フィルター径49mm対応)
- NiSi 角型フィルターシステム プロフェッショナルキット
- MARUMI ステップダウンリング 52mm →49mm
現状Nisiのコンパクトフィルターシステムは RICHO GR III 用と X100シリーズ用が展開されていますが、実はこの二種類は同じ角型フィルターを取り付けることができるようになっています。
現在販売されているキットは RICHO GR III用に「スターターキット」「プロフェッショナルキット」「マスターキット」、X100シリーズ用に「スターターキット」「プロフェッショナルキット」が用意されています。
今回使用する肝心の49mmフィルター径に対応したホルダーが同梱されているのは RICHO GR III用の「マスターキット」のみになり、その他のキットを購入した場合は単品で「GR III ホルダー」を購入するようになっています。
つまり49mmフィルター径を活かしたいと考えると、
- GR III スターターキット + GR III ホルダー
- GR III プロフェッショナルキット + GR III ホルダー
- GR III マスターキット
- X100 スターターキット + GR III ホルダー
- X100 プロフェッショナルキット + GR III ホルダー
の組み合わせとなりますね。
ただ、2020年10月7日現在、プロフェッショナルキットは約8,580円、GR III(49mm径対応)ホルダーは3,800円なので両方を購入した場合は合計で約12,380円になってしまい、「GR III マスターキット」との価格差は1,000円もなくなってしまいます。マスターキットは追加でソフトGND8とND64が付いてきますので、これから購入するならマスターキットがお得でしょうか。日本ではコンパクトシステム用の角型フィルターが個別に販売されていないのが残念なところです。
私はテストと比較目的、そのうちきっとX100シリーズが欲しくなるのでX100用の「プロフェッショナルキット」と「49mmフィルターホルダー」を別々に購入しています。
XF18mmF2 R
まずはベースとなるレンズですが、今回上手く利用できたのはXマウントの広角レンズ「XF18mmF2 R」になります。
XF18mmF2 R はフィルター径52mmとなり、そのままだと49mm径対応角型ホルダーを取り付けることはできません。なのでこのレンズに「52 → 49mm ステップダウンリング」を取り付けることで対応させていきます。
ステップダウンリングは本来のフィルター径を小さくするアダプターなのでフィルターを取り付けるとケラれる可能性が高いです。このレンズは見るからに余裕がありそうなレンズなので助かりました。
MARUMI ステップダウンリング 52mm →49mm
52mmのフィルター径を49mmと小さくするステップダウンリングです。
アダプターが取り外しやすいようにローレットが刻まれているケンコー製が良かったのですが、このフィルター径に対応しているステップダウンリングはMARUMIさんだけでした。後はまとめ売りの中華製でしょうか。
NiSi 角型フィルター RICOH GR III(49mm径対応)ホルダー
単品で購入した RICOH GR III 用に追加で販売されている角型フィルターホルダーです。よくよく説明を読むと「49mm」のフィルター径と書かれており、購入したパッケージにも「49mm HOLDER」と書かれていました。海外のNisiのサイトを見ると49mmフィルターホルダーで販売されているので日本での売り方が間違っているような?
フロントにくっつけばなんとかなるの精神で購入した次第です。
RICHO GR III用の49mmホルダーはかなり薄く作られていて安心しました。
X100 プロフェッショナルキット
プロフェッショナルキットの内容物は以下です。
- ミディアムGND8
- ND8
- HD PL
- ナチュラルナイト
- X100シリーズ対応フィルターホルダー
- 専用ケース
4枚の小さな角型フィルターとXシリーズ対応のフィルターホルダー入るっているキットです。専用のケースもカバンの中に収めやすいサイズです。
X100用のホルダーと比較する
左がX100用のホルダー、右がGR III用のホルダーです。
比較するとこれだけ厚みに違いがあります。どうやら上部のフィルターを取り付けるパーツは共通で中央の穴の径も同じです。レンズ側に取り付けるパーツに大きな違いがあるようです。
X100シリーズのホルダーはアダプタを取り付けるためのネジとなっていますので逆になっており、レンズのフィルターには直接取り付けることができなくなっています。
取り付ける
XF18mmF2 R → MARUMI ステップダウンリング 52mm → NiSi RICOH GR III (49mm径対応)ホルダー と取り付けます。
今回の懸念点として RICHO GR IIIのレンズは18.3mm(35mm換算28mm相当)のF2.8なので、ベースとなるレンズはF2と口径的に大きく最悪ケラれる心配がありました。
取り付けてみるとステップダウンリングで多少厚みがでますが問題なさそうです。
角型フィルターを取り付けてみました。回転もヌルヌルっとした感触でとてもいいフィーリングです。
どうでしょうか。意外と悪くないと思います。
実写
ホルダーありなしのケラれチェック
比較
- 左 ホルダー未装着
- 右 ステップダウンリング + ホルダー装着
ホルダーだけを取り付けたものとの比較ですがケラレはないですね。この比較だとスライドバーにシャドウがかかってしまっているので、スライダーを左右に振ると一見光量が落ちたように見えてしまってますが問題なしです。
※比較画像が表示されない場合は1度更新してみてください。
ハーフNDフィルターのテスト
比較
- 左 フィルターなし
- 右 ハーフNDフィルター
簡単ですが角型フィルターをセットして空の露出に合わせて撮影してみました。同じような空の露出で明らかに下部の明るさが大きく違います。APS-Cセンサーだと強引に持ち上げるとノイズが乗りやすいのでフィルターの頼るのは有りだと思います。
X100シリーズ用のフィルターホルダーだとケラれてしまう。
少し戻ってX100用のフィルターホルダーです。
最初にX100用を購入していたのでどうにかこれで出来ないかと試していました。X100シリーズは49mmのネジが切ってありますが、それはフィルターではなくアダプタを取り付けるためのネジで通常と逆になっています。そのためステップダウンリングに加えて以下のアダプター追加で購入しています。
- 49mmオスオスのアダプター
ステップアップリングにさらにオスオスアダプターをかましてNiSi X100用角型ホルダーに取り付ける必要があるのでこんなに厚くなってしまいました。
案の定がっつりとケラれてしまいました。
試しに49mmのオスオスアダプターを外して手で抑えてみましたが、それでも若干ケラれてしまいました。そもそもX100シリーズのレンズは23mm F2と画角が違うので台座の部分の厚みを大きくとっているのかと思います。
フィルター径が合えばAPS-C、マイクロフォーサーズのどのシステムでもいける…?
無事に装着することができ、ケラレもなく大満足の結果となりました。
RICHO GR III のレンズが18.3mm(35mm換算約28mm) フィルター径49mmなので、それに近いスペックのレンズがあれば対応できるかと思います。
富士フイルムのレンズだと、より広角な「XF16mmF2.8 R WR」のフィルター径が49mm、標準ズームの割により広角な「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」のフィルター径が52mmとなっているのでこれで使えたら素敵ですね。
昨年に72mmのフィルター径で使える角型フィルターを購入しましたが、その後のコロナ禍の影響もあって大きい機材を持ち出すのが億劫になってしまいタンスの肥やしになっていました。今回のシステムなら常にカメラバッグに入れておくことができ、どんな場所で使っても圧迫感を感じにくいので積極的に使っていけそうです。