桜の写真の撮り方まとめ。桜をキレイに撮るカメラの設定とアイデア

全国のカメラ好きが一同に会する桜の季節が今年もやってきました!

桜の季節は非常に短く天候も不安定。土日だけの撮影であれば機会は1、2度程度かと思います。

今回は毎年失敗しながら試行錯誤している桜の撮影テクニックと、桜をキレイに撮るカメラの設定、作例を毎年アップデートしながら紹介していきたいと思います!

カメラを始めたばかりの方、これから撮影する方のちょっとでもお手伝いになれば幸いです!

桜を撮影するためのレンズを考えてみる

望遠レンズを一本持っておくと吉

理由その1.混雑を回避して撮るため

名所を訪れる場合は余程の穴場ではない限り、どこでも相当な混雑が予想されます。

広角レンズや、換算50mmなどの標準的な画角のレンズだけでは、場所によっては桜に寄るのも大変で、人混みをかき分けているだけで疲弊してしまいます。そんな時にしゅっと群衆の外側から撮影できるように望遠レンズを1本は持っておくといいでしょう。

 

理由その2.構図の整理に

望遠レンズであれば、桜と背景の構図の整理、手の届かない桜の花びらを大きく写したり、期待したほどの桜が咲いてなかった場合に上手くボリューム感を演出する場合などにとっても便利です!

できることならダブルズームのキットにあるような、35mm換算100mm以上の望遠レンズを一本持って行きたいところです。とはいえ持ってない方もいると思いますので最低でも標準ズームレンズを必ず携帯するのがおすすめです!

 

桜を撮影する時のカメラの設定

露出をプラスに補正する

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よくある失敗写真で一番多いのは写真が暗いことではないでしょうか?

カメラのオートの露出は、基本的に明るい場所を暗く暗い場所を明るく撮ろうとします。

 

フレーム内が「」で埋まってしまうと、画面内が明るく(白く)なるため、適正に合わせようとカメラが暗く撮ろうと補正してしまいます。桜の場合はその明るさが大事なので、思い切って露出をプラスにすることで、春らしい華やかな写真が撮れるのでぜひ「露出」を調整してみてください。

どんな被写体でもそうですが、デジタルカメラの場合白い被写体の場合は、露出をプラスに補正、明るいものは明るく撮るのがポイントです。

 

ホワイトバランス、ピクチャーコントロールなどのカメラの色設定を変えてみる

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常に頭に置いておきたいのがホワイトバランスなどのカメラの色設定です。

ホワイトバランスは晴れであれば迷わず「太陽」にあわせておけば、ほんのり色づいた桜を撮ることができるでしょう。そこからマゼンタを強くしてピンク色を強調するなどの微調整を行えばさらにぐっといい写真が生まれます。

色をはっきりさせたい場合は、ピクチャーコントロール(ピクチャースタイルなど)を “ビビッド”、”風景” などの設定にまた、”彩度”を上げたり、柔らかな雰囲気を出したいのであれば “シャープ” を弱めてみるなど、自分の好みを探ってみましょう

 

「絞り優先オート」でしっかりボケをコントロールする

こちらの写真はf/16まで絞り込んで撮影しました。望遠レンズで手前の桜にピントを合わせるとf/16でもこのくらいボケてしまいます。これ以上ボカしてしまうと背景のボートがただのボケになってしまい、どんなシチュエーションで撮影したのか分からない写真になってしまいますね。

カメラを初めて間もない頃は、背景をぼかすためにレンズの絞り値を開放にしがちです。なんの撮影でも言えることですが、しっかり絞りを意識してボケをコントロールしてあげると気持ちよく撮ることができるようになります!

 

RAWで撮影して現像時に調整する

桜の色をコンスタントにきれいに出すのは、天候や周辺の状況によりけりで相当な経験と技術がもとめられ、かなり難しいと思います。

桜は時期が非常に限られているため、いいコンディションで撮ろうとすると桜前線を追わない限りは一年に一回勝負が関の山。

ここは割り切ってRAWで撮影しておき、撮影時には絞り、シャッタースピード、構図に専念して、後で色の処理をするのが一番後悔しないやり方かと思います。

 

桜を撮影するアイデア

桜を大きく写す

さくら
かめらと。

さくら小石川後楽園

D750, , 135mm, 1/320秒, ƒ/2.8, ISO220

やっぱり一枚は撮っておきたい桜のアップ。

簡単なようで非常に難しく、シンプルだからこそ、ピント、ボケ、構図がしっかりしないといい写真になりにくい撮り方です。

 

また、桜だけを撮っていると、どこで撮ったのか、どんなシチュエーションで撮ったのかなどが分かりにくいただキレイな写真になりがちです。後で見返したときに、あれ?どこにいったんだっけ?とならないように多用は禁物です!

 

手前、中央、奥のレイヤーを意識して奥行きを出す

気に入った形の桜の前後にも桜を配置することで奥行きを強調できます。

 

ボケを意識的に使う場合は手前、中央、奥の3つのレイヤーを意識するようにすることで、より立体感のある写真を撮ることができます。立体感を出せばピントが合っている箇所を引き立たせることができるので写真に意図を与えやすくなりますね。

 

桜を前ボケに使って柔らかな空気感を

さくらの前ボケ@千鳥ヶ淵
D750, , 135mm, 1/320秒, ƒ/2.8, ISO450

もう桜と分からないぐらい盛大に前ボケを使ってみましょう。

画面を覆う桜のボケがなんとも言えない柔らかな空気感を演出し、奥にポツンと見える風景が世界を切り離したような印象を与えます。

 

桜を副題に。桜の背景は極上の素材

何も桜を撮りに行ったからといって桜をメインに置かなくていいと思います。

主題を別に置き、桜を副題にすると、いつも撮っている被写体でも違った表情をみせるはず。ポートレートの撮影でもとても活かせそうですね!桜の背景は贅沢極まりない極上の素材です!

 

桜で囲って視線を誘導、奥行感を出してみる

被写体を桜で囲えば、見せたい部分を強調したり、奥行感のある写真を撮ることができます。

 

水面に反射している桜を狙ってみる

枝垂れ桜@小石川後楽園
かめらと。

枝垂れ桜@小石川後楽園小石川後楽園

D750, Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D, 50mm, 1/100秒, ƒ/5.6, ISO160

桜の木は観光名所に植えられていることも多く、川、湖とセットな場合が多いです。風があまりない日は水面に移った桜を撮とってもステキですね!

PLフィルターで反射を消したり、NDフィルター+三脚のスローシャッターで湖面を滑らかにしても面白いと思います!

 

木の配置、枝の流れを意識する

桜に目が行きがちですが、個人的に意識しているのが「木の配置」「枝の流れ」を意識することです。

桜というフィルターをとっぱらい、木と枝で写真の中に芯を作ることで写真が安定してきます。桜は添えるだけ。

 

ローアングル・ハイアングルから撮ってみる

時にはハイアングル、ローアングルで視点を変えてみるのもおすすめです。歩道橋をみればそこから桜を覗いている人がいるかもしれません。常に周りに意識を持つようにすると面白い写真が撮れるはずです!

 

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がやがや感をわざと出したい時は、ハイアングルからちょろっとだけ人混みを入れてみるのもいいと思います。手振れには要注意です!

 

 

標準・広角レンズでその場の雰囲気を撮る

桜@千鳥ヶ淵
かめらと。

桜@千鳥ヶ淵千鳥ヶ淵

LUMIX DMC-GX7, M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8, 17mm, 1/8000秒, ƒ/1.8, ISO200

望遠レンズをおすすめしましたが、せっかくなので自分が好きなレンズで撮影しましょう。

ごみごみした人混みの中ではタイミングが命です。いい場所を見つけたらじーっと忍耐強く待ち、ここぞのタイミングでシャッターを切りましょう。

 

花よりやきとり
かめらと。

花よりやきとり目黒川の桜並木

D750, Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D, 50mm, 1/320秒, ƒ/1.8, ISO100

その時、通行の妨げや他の花見客の迷惑にならないように特にマナーには気をつけましょう!

 

夜のお花見
かめらと。

夜のお花見目黒川の桜並木

D750, Ai Nikkor 28mm f/2.8S, 28mm, 1/160秒, ƒ/2.8, ISO3200

せっかく名所にいったのであれば、広角レンズで混雑してるその場の雰囲気を捉え、フレームに収める工夫をすると後で見返した時にいい思い出になりますね!

 

圧縮効果で桜の密度を濃く、遠くの被写体を引き寄せる

望遠レンズがあれば、ある程度距離が離れている被写体を引き寄せる効果があるので画が作りやすくなります。

また、桜の咲き具合が思ったほどではなくても、圧縮効果で桜の密度を濃くすることができるのでどんな場面でも重宝しますね!

 

桜のシチュエーションを考えてみる

青空と桜

河津桜とメジロ
かめらと。

河津桜とメジロ鮫洲入江広場

D750, Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D, 50mm, 1/4000秒, ƒ/1.8, ISO100

青空と桜は間違いのない組み合わせ。濃い青、淡いピンクは春らしさをぐっと強調しますね!

ポイントは太陽を背にして順光で撮ること。ピクチャースタイルを『ビビッド』『風景』などで撮ることです。

 

夜に桜を撮ってみる

さらに撮影の難易度は上がりますが、夜桜も乙なもの。

夜間は手ブレなどが厳しいため、ライトアップか街灯の下にある明るい桜を探すのがポイントです。
街灯の下であれば穴場的なスポットも多く、落ちついて写真が撮れると思います。

また、ホワイトバランスを思い切って「蛍光灯」などに変えてみると、幻想的な桜を演出できます!

 

逆光でも撮ってみる

例えば夕日に沈む太陽を背景に撮影してみます。太陽を背景にする場合、ファインダーやモニターが見にくくなるので「露出ブラケット」を使うのがおすすめです。この機能を使えば指定した明るさから、さらに明るい写真と、さらに暗い写真を同時に撮影することができ、後から気に入った明るさの写真を選ぶことができます。

 

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逆光でもシルエットとして捉えるとまた違った桜の写真が撮れると思います。この場合は、露出をマイナスに。暗くする場合は思い切って暗くするなどメリハリが大切です。

 

ランドマークと桜を撮ってみる

東京タワーと満開の夜桜@千鳥ヶ淵
かめらと。

東京タワーと満開の夜桜@千鳥ヶ淵千鳥ヶ淵

D750, AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR, 102mm, 1/250秒, ƒ/4, ISO3600

ランドマークと桜を合わせても面白いと思います!
桜で囲ったみたり、ライトアップを狙ってみたり。下から思いっきりあおったり。工夫しだいで面白い写真が撮れそうですね!

 

名所に拘らず街角の桜を撮ってみる

最近私がはまっているのは名所での撮影にはまったく拘らず、街中に植えられている桜を撮ることです。

桜はふとした所に植えられていることが多く人々の生活に溶け込んでおり、そういった場所であれば人も多くありません。名所であれば電線など余計なものが写ると邪魔になってしまいますが、街角の写真ならどんなものでもアクセントになりますね。

ぜひ、近所の桜をいろんな角度から撮ってみて下さい。

 

雨中、雨上がりの桜を撮ってみる

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雨だからと諦めずに傘をさして桜を狙ってみましょう。雫がついた桜はそれだけで幻想的です。

 

背景の色を変えて撮ってみる

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背景を思いっきりぼかして背景色を変えてみましょう。木々や芝生であれば緑や茶色に、菜の花をバックに撮れば黄色になったりとそれだけで桜の印象をがらっと変えることが出来ます。

 

D750, , 135mm, 1/320秒, ƒ/4, ISO1250

今度は背景を黒くしてみました。

こちらも絞りでボケをコントロールし川を流れる桜を捉え、舞い散るような幻想的なボケになりました。

 

今回のまとめ

といった形で、今まで撮影した桜の写真をまとめつつ、工夫したポイントを書き出してみました。カメラを購入してまだ間もないので撮り方が分からない、引き出しを広げたい、など桜を撮影するときに少しでも参考になれば幸いです!

 

また、写真投稿ページもありますので上手く桜が撮れましたらぜひ投稿してみてください!

 

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